針葉樹林の手入れと機械間伐に思う … 間伐・WanderVogel2014/09/25

機械間伐
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南足柄の針葉樹林(人工林)での森林の手入れと機械間伐に思う。

林業作業のための林道を取りつけて機械化を計ってはいるが、肝心のスギ・ヒノキをみて見ると、建築資材としてはあまり良質とは言えない。
植林された斜面では間伐が行なわれ、1ha(10反歩)あたり1,500本ほどの割合に維持されている感じですが、樹冠の枝の重なりを見るとまだ本数が多い気がします。

観光資源としての山・森林ももちろん大切ですが、山での経済活動の主力はやはり木材生産なのですから、切り出した木材は出来るだけ全て市場で使い切りたいところです。
そのためには、前提としてきちんと手入れ(植林・下草刈り・間伐など)がなされていることが大切なことです。
そしてそれが良質な木材をつくり出すことにつながります。

ただ、問題は神奈川県ではこのように事前に作業道を整備して、切り出せるような理想的な地形の方がレアケースで、大半は急斜面の中での伐採になります。
ですから、間伐・伐採した木材の大部分は持ち出されることなく、山の斜面に積んでおく方が多いのです。
治山という観点からは意味のあることかもしれませんが、生産という観点からは実にもったいないことです。
(そもそも、生産し販売するために手入れして育てているわけですからね、、)

本来はスギやヒノキ、マツといった針葉樹だけでなく、ケヤキやクリ、カシ、シイなどといった広葉樹も利用出来るとさらに林業が活発になるのでしょうが、これを積極的に使う人(買う人)がいなければ流通はしませんよね。

昔は樹種それぞれにちゃんと使い道があって、適した使い道を先人たちは考え出していたのですが、今となってはそういった「木を使う知恵」もそのうちに消えてしまう気がして、何ともさびしい限りです。


この辺りは丹沢で厄介者のシカもあまり生息していないようで、樹木の皮剥の跡も、食べ尽された下草もあまり見られません。そのかわり、というかイノシシが多い。
明るい尾根道や開けた散策路を歩いていても、あちらこちらにイノシシが掘り返した跡が目に付きます。
ヌタ場らしき痕跡も認められます。

実際に先日はイノシシと鉢合わせしましたから、やはりかなりの頭数が棲んでいるのでしょうね。


木の利用に関しては、数年前から政府が進めている木材ポイント利用の補助金政策ですが、どうせやるならもう少し先を見越した使い道に補助できるような柔らかい仕組みになれば、林業振興・里山保全・山の自然回復(資源回復?)にとっても、うまく廻っていくのではないかと考えるが、どうなんだろう?

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