越後アンギンの展示・十日町市博物館 … 自然観察・WanderVogel2015/08/06

越後アンギン
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越後妻有トリエンナーレ「大地の芸術祭」スナップ3・十日町市博物館

2日目の午後は、土の田村先生の要望もあって十日町市博物館に向かいました。ここには有名な「国宝 火焔型土器」が展示してあります。
十日町市内で発掘された「火焔型土器」はこの博物館の展示物の目玉であり、秀逸な一品なのですが、僕がこの博物館の展示で一番目を引いたのは「カラムシ織り」でした。

十日町から小千谷、六日町、塩沢にかけて織られてきた有名な「越後上布(エチゴジウフ)」「越後縮(エチゴチヂミ)」「小千谷縮(オヂヤチヂミ)」の原型ともいうべき織物「越後アンギン」の製作展示がとても面白かった。
昨年、鶴岡に行った時に「到道博物館」で見た、シナノキの樹皮を剥いで糸状にして織った織物「しなおり」という織物のことを思い出しました。

アンギンの原料は、越後上布などの高級品に使われる「青苧(あおそ:カラムシから取った繊維)」の余った端材、「アカソ」「ミヤマイラクサ」「ヤブマオ」などイラクサ科の植物です。いわゆる「麻」織物・編物・組物です。狭義の麻はクワ科の大麻ですが、広義の麻は上記の植物たちで織られた織物を言います。
今回の越後妻有トリエンナーレの移動で走り回った道路脇で、普通に見られる植物がその原料になります。また、これらの植物は、丹沢でも奥多摩でも日本全国どこでも普通に見られる草本です。

この「カラムシ織り」は、縄文時代から日本各地で延々と続けられてきていて、つい最近(昭和初期)まで地方では普通に織られ使用されていたことを思うと、3,000年以上続いたであろうその織物の歴史・伝統が廃れてしまったのがつい数十年前だったんだなぁ、と妙な感慨に襲われます。

とても興味深く、面白い展示内容でした!

しなおり織物:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2014/08/12/

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