最近の建築関連のニュースから2007/12/18

今年ほど「偽」というキーワードが取りざたされた年は無かった。
食品の産地偽装や記載偽装、ニセ表示など信じる基準が根本から覆される事件が起き、偽ブランドなどの問題とあわせこれで「衣・食・住」の全ての「偽」が出そろった感じだ。
世間を騒がせ建築関係者を震撼させた構造耐震偽装の話題も落ち着いてきて、「建築士法改正」と今年の「建築基準法改正」を経て世間的には建築家や設計士、施工業者に対する“目”も信頼を持ち直してきたのかなと思っていたら新たな不正が続々出てきた。
ひとつは製品の偽装だ。耐火/防火製品の性能に対する大臣認定偽装取得問題である。
ニチアス、東洋ゴム工業など大手の建材メーカーの製品の中に性能を満たさないものが複数あったという事なのだが、設計者側・施工者側にとって「大臣認定偽装」をされては「真偽」を確かめるすべがないのが現状である。
はたしてこの2件だけで収束するのであろうか?
もう一つは施工管理ミスによる問題である。今年11月以降だけでも、大手建設会社によるマンション施工ミスが3件も発覚した。
清水建設の“鉄筋不足マンション”(千葉県市川市)、竹中工務店の“鉄筋取り違えマンション”(東京都港区)と“コンクリート強度不足マンション”(東京都世田谷区)である。
どれも現在も施工中であり、施工ミスには何らかの対応をするということであるが…。
そのうち千葉県市川市の超高層マンションの鉄筋不足問題では、建て主の1社である三井不動産レジデンシャルは、工事再開後に再発防止のため現場検査を強化する方針を表明した。工事監理者の日建設計に対しては正規の業務として現場検査を増やし、ここでも新たに第三者機関にも検査を依頼する予定だそうである。

大手ゼネコンであろうが全体でみると「ある確率」で「ミス」は起こる。もちろん中小の工事でもやはり「ミス」は起こる。「インチキ工事」や「手抜き工事」はもっとあるだろう。
今回の「ミス」の発表は大手ゼネコンのギリギリのコンプライアンスが働いたということだろう。
個人の住宅建設や小規模の集合住宅建設などの工事では「ミス」や「手抜き」「技量不足」が表面化せず結果的に「偽装」のまま竣工を迎えることが多いのだろう。
「不良」の結果が分かるのは月日が経ってからか「地震」が来てからか…。
全ての施工業者がいい加減ではないが「ミス」はそれでも起こりうるし、手抜きや技量不足はなかなか無くならないだろう。
やはり、工事規模の大小にかかわらず「第三者による施工チェック」は常識化していくべきであろう。
竣工してからでは「内部構造のチェック」はなかなか出来ないのだから。

第三者監理ドットコム:http://www.daisanshakanri.com

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