鮮やかに紅葉したハゼノキの幼木 … 自然観察・WanderVogel2013/12/03

紅葉するハゼノキ
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イロハモミジと同じように(それ以上に)鮮やかに紅葉するものにハゼノキがあります。
三渓園でも他の紅葉/黄葉する木々の中でもひときわ目立つのがハゼノキです。

美しく紅葉するためには、温度・光・湿度の3つの要素が条件になります。
一般に気温が8℃を下回ると紅葉が始まりだすといい、日中晴れて気温が上がって、夜一気に冷え込むとよく色づくと言われています。また、空気が乾燥し過ぎると葉が枯れてしまうので適度な湿度も必要になります。
山岳地帯と町中の里山では標高や寒暖差など紅葉するための気候条件が多少違いますが、葉っぱが紅葉/黄葉するメカニズムは同じです。

春から秋までの樹木の葉には、クロロフィル(葉緑素)という緑色の色素とカロチノイドという黄色の色素が含まれていますが、クロロフィルの量の方が多いのでその時期には緑色に見えています。秋が深まるとクロロフィルが先に分解され、カロチノイドが残るので黄色の色素が目に入ってくるようになります。これが黄葉です。

一方、秋になると冬の準備(葉を落とす)のため、葉柄と枝の境に離層という遮断層が出来ます。すると光合成で得られた栄養分(糖分)が移動出来ずに葉に蓄積されてアントシアンという赤色の色素に変化することがあります。これが紅葉です。
アントシアンの生成には日光が深く関係していて、日が当たる葉ほど鮮やかに紅葉し、日陰の葉は黄色く黄葉するということになります。

ブナなどのように、アントシアンの替わりにメラミン系の分質が出来る木々の場合は黄色から褐色(褐葉)に変化することになります。ブナの場合は褐色というよりはきれいな橙色の葉になることが多く、落ち葉となって地表に落ちてもなお美しいものです。

木々によって、紅葉するか黄葉するかはあらかじめだいたいは決まっていますが、気候風土や標高などの生育状況やその年の天候、樹齢などによって様々な色に変化することがあります。
紅葉は落ち葉になっても美しいものです。
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