箱根・オトメアオイ(乙女葵) … 自然観察・WanderVogel2014/10/06

オトメアオイの花
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先日、箱根で見つけたオトメアオイの花

オトメアオイは名にある通り、箱根の乙女峠付近で発見されたのでこの名が付いたもので、いわゆるフォッサマグナ要素の植物の1つです。分布範囲も神奈川県と静岡県の山や林の中に限られます。
(環境省のレッドリストでは、準絶滅危惧種(NT)に登録されています。)


山中を歩いていても、よほど気をつけていないと見過ごしてしまうほど、地味で目立たない植物ですが、葉の形と模様に特徴があり、一度見つけて目が慣れるとけっこうあちこちに生えているのが解ってきます。
葉の模様(斑・雲紋)は個体差が大きく、見つけていくと本当に様々な模様を見ることが出来ます。

緑色から紫色の小さな花は葉の下に隠れ、枯葉や腐葉土などが上を覆っていることが多いので、根元をかき分けて探さないと上から見ただけでは花の姿は見えません。
なんとも風変わりな植物です。


このオトメアオイの壷形の花はじつは萼片が変化したもので、花弁自体はありません。この壷のようなものの中にオシベ・メシベが入っているという訳です。


どんな種類の昆虫が、この花の花粉の媒介をするのかははっきりわかりませんが、わざわざ容易に見つからないように花を咲かせているのには、何か重要な戦略があるのでしょうね。

一説ではキノコバエというハエやアリなどが媒介者になっているとも言われ、またカタツムリやナメクジ、ワラジムシやヤスデが媒介しているという説もありどうもはっきりしません。

東アジアではこのカンアオイ属は80種ほどあると言われていますが、日本には50種が生息しているそうです。
江戸時代から「山野草」として珍重されてきたこともあり、一部のマニアによる乱獲・盗掘で自然種の数が激減した地域もあると聞きます。


オトメアオイは大きくはウマノスズクサ科という科に属しますが、ウマノスズクサ自体もかなり変わった花・実を付けますので、そう思ってみると「なるほどな」と妙に納得してしまいます。

違う日に歩いた「湯坂路」では、オオバウマノスズクサがスターフルーツのような形をした実をいくつもぶら下げているのを見ることができました。
近くにはギンリュウソウやツチアケビといったもっと変わった植物も生えていました。


季節を彩るメジャーで美しい花々を愛でるのはもちろんですが、こういう変わった草花に出会えるのも山歩きの楽しみのひとつです。


・・補足・フォッサマグナ要素の植物とは?・・(神奈川県立 生命の星・地球博物館HPによる)
フォッサマグナとは「大きな溝」の意味で、糸魚川~静岡構造線の東側の地溝帯を指します。この地溝帯の南半分の地域には、この地域に分布が限られた植物が数多くあり、これらの植物をフォッサマグナ要素の植物といいます。
フォッサマグナ地区は、北は八ケ岳に及びますが、その中心は丹沢、箱根、富士、伊豆にかけてです。(略)

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