丹沢のシカを駆除しようと考えたわけでは無いのだが … WanderVogel2014/10/09

狩猟免許 他
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山登りや森林インストラクターの自然保護活動、畑仕事などを通して、特別なことを思い立ったというわけでもないが、ちょっと思うところがあって今年の7月に第一種銃猟狩猟免許を受けてみた。

ついでに警察署(公安委員会)で実施している 銃取得のための講習修了書なるものも時期を合わせて取得した。


試験の内容自体はそれほど難易度の高いものではないが、設問は普段馴染みの無い事柄だらけなので、事前の勉強はやっておかなければチンプンカンプンなものも多い。

法規や関係法令などの筆記試験の他に、紙芝居のように出される何枚もの「絵」を見て、その鳥/獣の名前を答える、という試験などもあった。絵1枚につき、答える制限時間は10秒ほどだったが、狩猟鳥/狩猟獣なのかどうかが一番の問題なので、30~40種類の姿かたちを覚えておけばこれはそれほど難しいものではない。

実地試験というのもあって、散弾銃の分解・組立てや弾の装填・取出し、射撃の姿勢、移動中の銃の扱い、空気銃の発射手順など、実地試験に関してはやることなすこと初体験な内容なので、こればかりはさすがに事前に行われる講習会などで練習をしておかないと、いきなり受験というわけにはいかない。

まあ逆を言えば、その事前講習会をちゃんと受けておきさえすれば、ほぼ合格するのではないか、という程度のものと言えなくもない。
とはいえ、いちおう試験なのでどちらの試験・講習でも何人かの不合格者は出るようだ。

面白いことに狩猟免許は更新することが出来るのだが、公安委員会の講習修了証明書のほうは有効期間が3年で、更新は出来ない決まりになっている。
(つまり、3年以内に正式に猟銃を持たない場合には、もう一度講習を受け直さなければいけない。)

これは、県の自然環境保全課や農地保全課あたりは健全に狩猟人口を増やしていきたいと考えているのだが、警察や公安の考えは出来るだけ一般人に銃を持たせたくない、という相反する方針が交錯しているからだろう。

公安委員会で行うこの講習/考査と猟銃の取得手続きが、銃による事件・事故を起こさせない(過去に警察に厄介になるような事件を起こした人間でない)ということが最重要事項のひとつなので、期限を切ることは解らないでもない。


丹沢の山や森林の植生に与えるシカの被害(食害)は、抜き差しならない状況にまでなっていることは一般のニュースでも流れているので、良く知られていることだ。

また、里山に近い畑に出没するサルやイノシシ、アライグマなどによる農作物の被害も年々大きくなっているのも本当だ。


では具体的にシカやイノシシなどの獣を(ワナや猟銃で)駆除してその後どう出来るのかは、神奈川県としてもまったく目処が立っていないのが実情だという。
他の県や北海道などでは、シカを獲って精肉(ジビエ)として流通するような仕組みがすでに出来上がっているところもあるが、神奈川県ではまだぜんぜんダメらしい。

ここ3年続けて参加している「やどりき水源林のつどい」では毎年、地元猟師が獲ってきたシカの肉を使って作る「鹿シチュー」が無料提供されるのだが、これがとても美味しい。
でもこれも、神奈川県では狩猟者自らが獲ってきた獲物を分けてもらい、さばいて調理する、ということが原則なのだ。
神奈川県では一般消費者の手元に、県内産の鹿肉や猪肉などのジビエが出回る予定は今のところまだない。


夜な夜な僕の借りてる畑にやってきては作物を荒らす、ハクビシンとかタヌキとかアライグマなんかをワナ猟で捕まえるか、ということも一時期真剣に考えたが(農作物を荒らす獣を捕まえるために、市で捕獲用の箱ワナを貸し出している)、捕まえた獣を殺して食べるというのも、想像するにちょっと恐ろしい。
(ワナ猟や網猟の免許は今回は取得していないし…。)

渓流でストーキングしながらドライフライでイワナやヤマメを釣り上げるのには絶対の自信を持っているが、生きてる動物を鉄砲で撃って自分で解体し料理して食べる、なんていうのは今のところそこまでは無理だろうなぁ。

狩猟といって僕がイメージ出来るのは、せいぜいカモとかキジバトとかヒヨドリといった鳥猟がいいところだろうなぁ。


いずれにしても、「自然」というのはどんな切り口をもってしても興味の尽きない、とても大きな世界だ。

季刊地域/NO.15:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2013/10/09/

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