金沢八景・平潟湾沿いで見つけたソテツの大胞子葉 … 自然観察・WanderVogel2016/02/20

ソテツの雄花
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平潟湾沿いの遊歩道に植えられているソテツ(蘇鉄)の雌木。その頂部に咲く?大胞子葉の姿はまるでエイリアンの触手みたい。

ソテツは日本に自生する裸子植物ソテツ科のひとつで、公園樹としても庭木としても(そういえば、学校の正面玄関脇などに良く植えられていました)けっこう目にします。
もともとは九州以南の南方の植物なのですが、江戸時代から本州でもけっこう植えられていたようです。そんなわけで、案外身近で見られている植物なのですが、あらためて細部をじっくりと見る機会は今まであまりなかったなぁ。

雌雄異株の植物なので、ここでも雄の木と雌の木をセットで何本か植えられています。

この時期、雌の木には写真のように中心の茎の頂部に羽状複葉のオレンジ色の鮮やかな葉が取り付いていて、まるで何かを掴もうとしているエイリアンの手のようにも見えます。
縮んだ葉(大胞子葉)の下には、軸の左右に朱色に色付いた2つの胚珠(はいしゅ:種子植物で言うところの「種」にあたるもの)がくっ付いています。

一方、雄の木の方は中心の茎の頂部に小さな膨らみが見られる程度で、そこからオウムガイの触手のようなツンツンした大胞子葉が出ていました。
雄木の雄花は、成熟するとトウモロコシ型の巨大な花?を咲かせます。


ソテツという名前の由来は、枯れかかったときに鉄クギを打ち込むとよみがえるという説によると言います。鉄分を与えると元気になる(蘇る)という伝承があるようで、ソテツの茎に鉄クギが打ち込まれていることがあるそうです。
ホントにそんなんで元気が出るのかなぁ? でも、なんか面白い。

補足:ソテツ(蘇鉄)は海外で砂漠緑化に貢献し、観葉植物としても人気なのだそうです。
自生地である奄美産のソテツはここ10数年来、海外では特に好評だそうで、中南米のコスタリカやホンジュラスで苗木に仕立てられ、鉢植えや街路樹にするため欧州などの国々へさらに輸出されていると言います。
アフリカやオーストラリアでは砂漠の緑化にも活用されるとのことです。

また、鹿児島・沖縄の島々では昔からソテツの実(毒素を抜いて)と玄米と大豆、麹を混ぜて蘇鉄味噌を作って食用にしているのだそうです。

奄美料理は食べたこと無いけど、いったいどんな味がするんだろう?

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