西丹沢/ヤマユリの枯れた実(朔) … 自然観察・WanderVogel2016/02/02

西丹沢・ヤマユリの実(朔)
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この時期に西丹沢の林道を歩くと、山側の斜面にたくさんこのヤマユリの枯れて裂けた実(朔・さく)を見ることができます。

実際には晩秋から初冬にかけてヤマユリはすでにこの姿になっていますので、その頃から見られるのですが、周囲の草木がすっかり枯れて無くなるこの時期は良く目立ちます。
ヤマユリは球根(いわゆるユリ根)ですので、毎年花を付けますが、その花の数は年々増えていき、多いものでは十数個も付けることがあります。

蕾みから花になり、このような実(朔)を付け、割れるまでのヤマユリの花の一生を観察してみると、面白いことに気が付きます。
ヤマユリは蕾みの時には下を向いていて、花を咲かせる時期には水平に咲き、実を付けると上向きに、と変化していきます。

横向きに花を咲かせる訳は、受粉するのに虫が入りやすいようにしているのでしょう。
実(朔)が上向きになるのは、朔の中に入っている大量の種子(なんでも1つの朔に400〜500粒も入っていると言いますから、この朔が1本に5個ついている株だとすると、1本で2,000〜2,500粒もの種子が生産されるということになります)を風に載せてまき散らすための工夫です。

朔の中にはコーンフレーク状の薄い翼を持った種子が詰まっていて、朔の裂け目から入った風が種子を上へと吹き飛ばし、風に乗って方々に飛んで行き、うまいことちょうど良い斜面に落ちればそこでまた子孫を増やすことが出来るという訳です。

この時期でも、朔の中に多くの種子が残っていることがありますので、出会う機会があれば朔の中を覗いてみてください。

ちなみにヤマユリは神奈川県の県花です。

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