西丹沢・大又沢支流イデン沢の支流白水沢の流れ … 山歩き・WanderVogel2016/01/30

イデン沢支流の白水沢
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西丹沢・大又沢支流イデン沢のそのまた支流・白水沢の流れ。
この支流は奥が深いこともあって、この時期でもけっこう水量があります。

イデン沢が菰釣山の南、大栂までの尾根に源を発するのに対し、白水沢はイデン沢出合いから北上し菰釣山から城ヶ尾山までの甲相国境尾根を源としているので、渓流の長さ的には大叉沢本流に匹敵するほどの奥深さを持っています。

渓流釣りにはもってこいの沢なのですが当然入渓する釣り人も多く、特にエサ釣り師が多いので僕はシーズンに入ってみたことはない。
でも、こうして周りの木々が落葉した渓流の姿をあらためて眺めてみると、う~ん、やっぱり魅力的だぁ。

自由にフライロッドを振れる、というほどの広さは無いが、魚の居着く条件が整っているように見えるます。どのポイントにも良型の渓魚が潜んでいそうで、今すぐにでも竿を出したい衝動に駆られます。
渓流解禁まであとひと月。3月1日の解禁日にはぜひ出かけたいなぁ。

盛夏(8月)の西丹沢渓流源流部フライフィッシング4 … FF・WanderVogel2015/08/09

バラシマ沢のヤマメ
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涼を求めて西丹沢の渓流に入ってきました。6時時点での現地気温は23℃と下界よりはいくらか涼しい。
沢の源流部付近まで遡っても陽射しは下界と変わらず、標高が高いわけでもないので,暑いことには変わりはない。
それでも、小滝が連続する沢を遡行すると沢風はひんやりとしていて、沢全体を両岸からの木々の葉が覆い、強い陽射しを遮ってくれる。

魚影は濃く、定位する姿からも大型サイズもチラホラ見られる。沢のコンディションは抜群に良いのだが,釣り手がヘタなのか なかなかフッキングしない。
フライサイズにもシビアで、少しでも違和感があると(フォルムやサイズ、流し方が違うなど)エサを追ってきても直前でクルッと反転してしまう。
こちらも手を尽くしてダマそうと試みるが、数ヶ月間学習を積んで生き残ってきた個体はおいそれとは喰いついてきてくれない。

やっと釣り上げた一匹はヒレの大きい、パーマークも美しいスレンダーなヤマメでした。手を変え品を変え試した末に、食い付いたフライは16番の茶のパラシュートフライでした。
結果は、2勝4敗3引き分けといったところか。

沢沿いには様々な花が咲いていた。
タマアジサイの開花する直後を撮ることが出来た。大きく膨らんだ玉のような蕾みがパチンと弾けて中から花が飛び出してきた瞬間,といった感じです。
沢水で湿った岩肌には、イワタバコが可愛らしい濃い紫色の花を咲かせていた。
サルナシ、マタタビ、アブラチャンなどの果実も大きくなってきたなぁ。

林道脇にはカラムシやヤブマオ、アカソが群生している。
良く観察してみると、イラクサ科を食草とするフクラスズメのカラフルな終齢幼虫が盛んにカラムシの葉を食べていた。

コースタイム:(合計=約10時間)駐車場からポイントまでの林道歩き:行き2時間15分/帰り2時間半、釣り:約4時間半、昼食/他 約30分
浅瀬集落(6:10着、6:30発) ~(途中の林道は相変わらず大崩れ)~ バラシマ沢・準備を整えて開始(9:00) ~(バラシマ沢釣行)~橋上で納竿(14:00)~(林道を写真など撮りながらのんびり戻る)~浅瀬集落(16:30)

前回の釣行:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2015/04/26/

初夏(4月)の西丹沢渓流源流部フライフィッシング3 … FF・WanderVogel2015/04/26

金山沢
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GW直前、暦の上ではまだ4月だというのに、初夏とよんでも良いくらいの暑い一日でした。

いつもの西丹沢・丹沢湖の世附川奥のバックウォーター沿いの浅瀬駐車場に着いたのが朝の6時、ウェーダーと渓流シューズをはき、ベストを着込み6時20分出発。
世附川沿いの河畔に付けられた水の木林道ではウツギの白い花が満開で、まだいくらか咲き残っているヤマブキと花を競い合っているようでした。

ウツギの花も美しいが、新緑がまた最高で、沢全体が生命観に溢れています。秋から冬に葉を全て落とし、枯れ枝のような姿になってしまっていた落葉広葉樹たちがこの時期に一気に芽吹き始めます。

この時期の沢沿いの景色の素晴らしさというものは、日本の山ならではの光景です。ほんとうに美しい。

沢沿いにはいわゆるパイオニアプランツと呼ばれる樹木が多く生えています。カエデ類やヤシャブシ、ヤマハンノキ、ミズキ、クルミ、フサザクラなどの陽樹の木々たちの芽吹きを見ることができます。

落葉樹の新葉は一様にみな、みずみずしくて柔らかく優しい色をしています。そんな中にあって、コクサギの新葉だけは表面にロウをひいたようにテカテカに光っているのが面白い。

陽の当たる林道の斜面に目を向けると、あちこちにヒトツバテンナンショウやミミガタテンナンショウ、マムシグサなどがたくさん咲いています。
足元にはタチツボスミレやネコノメソウの仲間のハナボタン、シカも食べないというマツカゼソウ(ミカン科で唯一の草本)の可愛らしい幼草があちこちに生えています。
長い林道歩きも、新緑の美しい今日ばかりは楽しい時間です。


金山沢は取り付きまで時間がかかる割には、けっこう入渓者も多いのでしょう。今日の渓流釣りの感じでは、かなり魚がスレてきているなぁ。という印象です。
細い沢なのですが、ある程度のロングレンジで狙わないと、こちらが魚を見つけるよりも先に魚に気付かれてしまい、すぐに走られてしまいます。そうなるともうドライフライには絶対に出てくれません。

遠くからそっと近づき、落ち込み付近を狙ってパラシュートフライを上手い具合に流し込むと、きれいなイワナが掛かりました。
水も温んでいてヤマメたちはヒラキに出ています。中にはハデに水音を響かせて豪快にアタックしてくるヤマメもいます。
渋い釣りながら、なかなか楽しめます。

絶好の場所で、水面に浮いて流れる虫を盛んにライズして補食している一匹のヤマメを見つけました。
慎重に岩陰に隠れながら、1mくらい上流にフライを落とし、自然に流し込んでやると一発で喰いついてきました。思い通りの釣り方です。
しかし、すぐに大きな岩陰に潜り込み、姿を見せてくれません。無理して引っ張り出そうとすると、6Xのティペットは簡単に切れてしまうでしょう。
バーブレスなので、ラインを緩めてフライを吐き出させました。
釣り上げてもすぐにリリースするのだから、顔を見せてくれても良いのになぁ、と思うのは人間の都合ですね。

そして帰りがけの林道上で、また今日もカモシカに会うことが出来ました。


渓流や林道脇で見られた植物:新緑や花々
ヤマハゼ、クマシデ、イヌシデ、サワシバ、ヤシャブシ、ヤマハンノキ、オオバヤシャブシ、コナラ、フジ、ミツバアケビ、アケビ、ウツギ(うのはな)、タニウツギ、ダンコウバイ、ミズキ、クヌギ、イヌブナ、ヤマブキ、コクサギ、イロハカエデ、ウリハダカエデ、ウリカエデ、イタヤカエデ、オオバアサガラ、タマアジサイ、サンショウ、サルナシ、フサザクラ、ヤマザクラ、シバヤナギ、マルバアオダモ、など

ヒトツバテンナンショウ、マムシグサ、ミミガタテンナンショウ、マツカゼソウ、タチツボスミレ、キケマン、ハナボタン、オトメアオイ、ヒトリシズカ、マルバコンロンソウ、ムラサキケマン、ケイワタバコ、シャガ、オニタビラコ、など


コースタイム:(合計=約11時間半)駐車場からポイントまでの林道歩き:行き2時間/帰り3時間、釣り:約5時間半、昼食/他 約1時間
浅瀬(6:00着、6:20発) ~(途中の林道は相変わらず大崩れ)~ 菰釣橋(8:10) ~(水の木沢林道) ~ 樅の木橋(8:25) ~ (金山沢に降り、準備を整えて開始(8:45) ~(金山沢釣行)~ 石積み堰堤(11:20 昼食 11:45) 〜 山伏沢出合い(ナメ滝)で納竿(14:37)~(水の木林道をのんびり戻る)~浅瀬駐車場(17:40)

前回の釣行:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2015/03/15/

初春(3月)の西丹沢渓流源流部フライフィッシング2 … FF・WanderVogel2015/03/15

バラシマ沢のヤマメ
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暖かくなったり、寒さがぶり返したりしていますが、昨日(土曜日)は陽射しが出て暖かくなることを期待して、西丹沢にある世附川支流に出かけてきました。

先日(3/3)に行った沢とは同じく世附川水系の支流なのだが、1本違う支流域に入りました。ここは先日の沢の渓相と比べると岩が全体的に黒っぽい感じで、ヤマメの身体の色もそれに合わせて少しサビた色をしています。
同じような沢でも、微妙に違う水底の岩の色に合わせて保護色に染まる自然の知恵にはいつも感心させられます。

魚の出方は前回同様に、まだ流下してくるエサを補食するのに馴れていない感じで、咥え方が下手くそでフライには出るのだけれどもフッキングしないケースが多かった。

朝、駐車場に着いた時(朝7時ころ)には、外気温は1~2度と少し冷え込んではいましたが、薄曇りの空でしたので昼頃には陽射しも期待出来るかな、と思って出発しましたが、これがまったく とんでもない結果となりました。

いつもと同じように、駐車場から2時間歩いて入渓地点にたどり着いた時には、どんよりとした暗い曇り空に変わり、おまけに白いものがチラチラと降り出してきました。
それが、11時を過ぎた頃には本格的な雪になりました。

僕もこの時期に雪が降るとはまったく考えていませんでしたので、ビックリです。というか、めちゃめちゃ寒いです。
フライを取り替えるにも寒くて手が震えて、6Xのティペットを上手く結ぶことが出来ません。

ドライフライでの釣りは、水面のフライが目で追えなければ勝負になりません。雪の落ちる水面では、フライなのか、雪なのか、白泡なのか、区別がつかず、全くお手上げです。
渓魚も底に沈んでじっとしているのか、水面にあまり興味を示してくれません。

それでもフライパターンを取っ替え引っ替えして、何とか釣り上げることが出来ましたが、今日はなかなか渋い釣りになりました。

ただ、川沿いにはダンコウバイの黄色い可愛らしい花が咲いていて、山間部でも徐々にではあるが春に向かっているのだなぁ、と感じられます。
そして今日もカモシカくんに会うことが出来ました。


コースタイム:(合計=約9時間)駐車場からポイントまでの林道歩き:行き2時間/帰り2時間30分、釣り:約4時間、昼食/他 約30分
浅瀬(7:10)~(途中の林道は相変わらず大崩れ)~水の木橋(8:30) ~(大棚沢林道)~ 切通沢橋(9:00) ~ (バラシマ沢に降り、準備を整えて開始(9:20) ~(バラシマ沢釣行)~ (11:00から雪が降り始める) ~ 雪の中で昼食(12:10~12:20) ~ 雪が止まず納竿(13:30) ~ バラシマ橋 ~(バラジマ林道)~ 切通沢橋(13:50) ~(大棚沢林道)~ 水の木橋(14:25) ~ 浅瀬駐車場(16:00)

初春の西丹沢渓流源流部フライフィッシング … FF・WanderVogel2015/03/03

世附川のヤマメ
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西丹沢にある世附川支流のひとつ、水の木沢と金山沢という支沢で今年最初のドライフライフィッシング。
写真は14番の薄いベージュのボディーに明るい茶のウイングのパラシュートフライをガッチリくわえた今日のヤマメです。

今日は平日、本来ならバリバリ仕事をしているはずなのだが、思いもよらず、連絡なしのドタキャンをくらい、一日ぽっかりと時間が空いてしまった。
(ひと言、キャンセルの電話連絡くらいしてくれても、、、と残念な気持ちですが、そのおかげでこういう時間が取れたのですから、良しとしましょう。)

3月は何だか超忙しくて週末のFFも予定が立てられないでいたから、今日は予期しない幸運な展開だったのかもしれません。そう思うようにします。

3/1の日曜日が渓流釣りの解禁日だったのですが、その日はけっきょく一日いっぱい仕事に追われ、山に入ることは適いませんでした。
でも実は、車には釣り道具一式が土曜日の夜から準備万端、積みっ放しの状態でした。


昨年の3月は後半まで渓流脇の岸近くにけっこう積雪が残っていましたが、今年は今日時点ですでにすっかりと消えていました。
今日は時々薄日が射す程度で、空は一日中厚めの雲に覆われていました。陽射しがない分だけ、気温もさして上がりません。水温もまだまだ低くかったのですが、それでも昼過ぎになると渓魚の動きも少し活発になってきました。

釣り始めは解禁間際ということもあって、渓魚もそれほどスレていないだろうと考えて、川幅も水量もある「旧水の木集落」あたりの水の木沢で竿を出したのですが、、ぜんぜん反応らしきものがありません。魚の気配すらしません。
ドライフライではまだ早かったか!と、ニンフかウエットフライに替えようかな、そんな思いが頭をよぎります。

ただ、それにしても魚の気配がなさ過ぎます。


結局、林道まで登り返して、竿をいったん納めてさらに源流へ向かいます。
その地点から林道を上流に45分歩き、金山沢という支沢に入ります。ここは、昨年も一昨年も良い思いをしたことのある沢です。大型の堰堤を2つ越した地点から沢に下ります。ここから上にはもうコンクリート堰堤はありません。

僕の場合、この川で使うフライはパラシュートフライと決めています。相性がとても良いのです。
お昼を過ぎると水生昆虫のハッチもところどころで見られます。フライサイズは14番、16番で行こうか。どんよりとした空なので、視認性の良い明るい色のフライを選びます。


昨年もそうでしたが、この沢でも釣れる魚は居付きの年を越したきれいなヤマメでした。
丹沢の川の特徴のひとつである風化した花崗岩で出来た白くて明るい砂は、ここで棲み暮らすヤマメたちの身体を透き通った透明感のあるきれいな姿にしています。

魚の出方はまだドライフライの喰い方ではなく、底の方からのそっと上がってきてゆっくり出た、という感じでした。
その他の魚たちも、流れるエサをうまくキャッチ出来ないのか、くわえ方が浅くてフッキングしないケースが多々ありました。
まだ、浮かんで流下してくるエサを補食するのに馴れていないのでしょうね。

全く人に会わない静かで美しい沢でした。
今日は、気持ちの良い数時間を過ごすことが出来て、身も心もリフレッシュしました。

世附川流域の釣り人は、今日は僕を含めて4〜5名ということです。(ゲート前で漁協の人が夜明け前から、入山する釣り人を見張ってチェックしています)


今日会った生きものたちは、カモシカ2頭、ニホンジカ1頭、大きなヤマドリが1羽でした。
特にヤマドリは足元から急に飛び立ち、谷に消えていったのでビックリしました。
ヤマドリとキジ、どちらも同じ仲間ですが、山に棲むヤマドリはなかなかその姿を見ることはありません。貴重な体験をしました。


コースタイム:(合計=約9時間)駐車場からポイントまでの林道歩き:行き2時間/帰り2時間15分、釣り:約4時間、昼食/他 約1時間
浅瀬(7:25)~(途中の林道は相変わらず大崩れ)~水の木沢で釣り(8:50〜9:40)~(水の木沢林道)~菰釣橋(10:00)~(水の木沢林道)〜樅の木橋(10:18)~ (金山沢に降り、準備を整えて開始(10:25)~(金山沢釣行)~納竿(14:15)~(水の木林道)~浅瀬駐車場(16:30)

昨年の同じ時期のFF:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2014/03/21/

渓流解禁日に内山節氏の著書を読もうか … 山の本/読書・WanderVogel2015/03/01

山の本
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このところ仕事がバタバタと忙しくて、なかなか買ってある本を読む時間(気持ちの余裕)が取れずに、何冊かテーブルに積んだままになっている。
定期購読で送られてくる建築の専門誌もビニール袋に入ったまま、1週間以上も積んだままの状態です。

そのうち宮本 常一著の2冊は何とか読み切ったのだが、内山 節(たかし)著の「山里の釣りから」にまでなかなか手が伸びないでいる。
これらはいずれも書かれたのがかなり昔なので、すぐに読まなければ、というようなものでもないのだが、、ゆっくり時間をかけて読みたい本ではあります。

そうこうしているうちに、今日は3月1日、そう「渓流解禁日」なのです。
年券を買ってバッチリ準備していたのですが、今日はどうしてもある案件の企画書のレジュメだけでも作ってしまわないといけなかったので、出漁出来ず悔しい思いをしています。

そして夜も10時をまわって、やっと何とか ひと区切り付いたところです。
さて、ここで blog更新なんてしていないで、さっさと本を読み出そう!

今年もまた、美しい渓魚との出合いに期待して … FF・WanderVogel2015/02/05

釣り年券2015
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今年はちゃんとシーズン前に年券を入手することが出来ました。
この年券は酒匂川漁協組合が発行するもので、もちろん酒匂川に注ぎ込む本支流河川での釣りでしか通用しません。

酒匂川水系の範囲はざっくりと言うと、丹沢湖に注ぐ全ての河川、鍋割山を源流とする河川がその範囲となり、ほぼ西丹沢山塊(甲相国境尾根、丹沢主稜)の南側全域一帯の広大な面積がその流域範囲に含まれます。

酒匂川に注ぐ主な河川は、東側から四十八瀬川(みくるべ)、中津川(やどりき)、狩川、皆瀬川、河内川(丹沢湖下流)、玄倉川、中川、世附川、といったところで、そのうち後半の3つの川が丹沢湖に注ぐ川になります。(というか、その3つの川の合流地点の集落を呑み込んで丹沢湖が作られた、と言うべきでしょうね。)


ヤビツ峠を越えた札掛にも中津川(札掛)という河川がありますが、その中津川は宮ヶ瀬湖に注ぐ相模川水系の河川ですので、同じ名前ですが全く別の川です。
当然、漁協も違うので、そちらで釣りをする場合にはまた別の釣り券が必要になります。
また、四十八瀬川(みくるべ)のすぐ東側を流れる水無川(秦野戸川)も同じ丹沢なので同じ水系に見えますが、水無川は金目川水系になりますので、また別になります。


僕が毎年入る川は、酒匂川水系の中でも一番ひと気の少ない辺鄙な(行きにくいということ)川である世附川のさらに奥の県境に近い、源流域の小さな沢が主なフィールドです。

世附川がひと気のない原因は(玄倉川同様に)、丹沢湖バックウォーター付近で一般車の通行を禁止しているため、アプローチが非常に悪いということにあります。
ということは、その分だけ入渓する人も少なくなってくる、というわけです。

同じく丹沢湖に注ぐ中川の場合は、中間に中川温泉というよく知られた温泉があるので、川の源流部近くまで川沿いに車道がしっかりと通っていて、釣り人にはアプローチのしやすい川となっていますが、その分釣り人も多いのではないかと思います。
上流域には自然教室などの県のビジターセンターもあって登山者も多い。
また、河原沿いには民間のオートキャンプ場などがいくつもあって、上流域に行っても山の渓流という趣きは残念ながら感じられない。

ただし、中川も支流に足を踏み入れると渓相を一変させ、大滝が多く、ゴルジュ帯もあり取り付きが難しい分だけ大きなサイズの渓魚が残っている可能性は高い。
実際、昨秋(釣りのシーズンが終わってから)中川の西沢にある“しもんたな沢”に沢歩きに出かけたのだが、ザイルが必要なほどのタイトな小滝の流れの中で良型のイワナが定位しているのを見ている。
しかしここは完全に沢登りで出かける沢だろうな。その時は上から降りて来たのでたどり着けたが、沢通しで遡行するには1人では危険すぎて安易に行く気にはなれないな。


さてさて、今年は何回行けるだろうか? はたして、年券の元が取れるのだろうか?

昨秋の西丹沢FF:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2014/09/16/

冬の山でのんびり・西丹沢/水の木沢を歩く … 山歩き・WanderVogel2015/02/01

水の木沢を歩く 2月1日
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西丹沢、世附川上流部「水の木沢」を歩いて来ました。

丹沢湖西端の浅瀬に着いた時はすでに日が昇っていて、気温は氷点下ですが陽射しが気持ちが良かった。
今日は西丹沢の西端に位置する水の木沢を目指して、世附川沿いの林道を歩きます。

朝の雪道はバリバリに凍っていますが、シカやカモシカの足跡をたどるように冷えきった静かな山道を歩きます。

ここはフライフィッシングでは何度も来ている沢ですが、雪の積もっている2月に沢に降りるのは始めてかもしれません。
この時期にこんな辺鄙なところを歩く人など絶対にいませんから、山も沢も独り占めです。

沢の水は冷たく空気は澄みきっていて、流れる水音も冷たい大気に溶け込んでいくようです。
時々 ここは!と思われる流れの淵や瀬を覗き込むのですが、渓魚の姿は見ることが出来ませんでした。
これだけ水が冷えきっていれば、ヒラキには出て来れないんでしょうね。たぶん、白泡のたつ深い流れの下にジッと潜んでいるのでしょう。
ひと月後の3月1日(日曜日!)がこの辺りの渓流釣りの解禁日です。すでに年券は買ってあります。


沢沿いをのんびり歩いて、沢の水でお湯を沸かしてお茶を飲みます。
今日の目的はこれだけです。これだけのために、車止めから3時間歩いて来ました。


今日は渓流解禁に向けての沢の下見も兼ねているのですが、一番心配だった林道の復旧具合の確認が出来たことが良かった。
崩落した林道の完全復旧にはまだほど遠いですが、確実に毎年作業は進んでいます。
大きな崩落箇所の本格復旧はこれからですが、細かい土砂崩れ箇所の修復はすでに終っている感じです。

浅瀬のゲートに設けられている渓流釣りのチェックポイントには、大水で流されて以来 事実上実施がストップしているC&R(キャッチアンドリリース)区間の案内看板が復活していたが、今期からC&Rは実施されるのでしょうか? 特にそれについてのアナウンスはなかったのだが…

コースタイム:
世附/浅瀬集落駐車場8:40 ~ 水の木橋 10:40 ~ 菰釣橋 11:10 ~ 大洞橋(馬頭観音の碑)11:30 ~ 昼食 ~ (馬頭観音の碑)12:15出発 ~ 浅瀬駐車場着 14:15

前回の古道巡り:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2014/12/30/

初秋の西丹沢渓流源流部フライフィッシング … FF・WanderVogel2014/09/16

西丹沢釣行
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9月の三連休最終日、西丹沢奥の渓流へFF(フライフィッシング)を兼ねて沢登り(沢歩き)に出かけた。
前回の渓流釣りが初春の5月末のことなので、3ヶ月半ぶりの沢歩き&釣行となる。

世附川支流大棚沢の支流バラシマ沢の源流に、要所小屋沢と呼ばれる沢があります。
山梨県との県境尾根上の大棚ノ頭と要所小屋ノ頭の間に源頭を持つ小沢です。
県境に沿って東海自然歩道が尾根上に通っています。設置以来適切に管理されていないこともあって、今では歩く人もあまりいない状態だが、西丹沢を尾根上にぐるっと回るコースになっている。


昨日はバラシマ沢源流の要所小屋沢を詰めて、沢の流れが枯れる地点まで遡行してみた。久しぶりの沢なので、ヘルメット持参で出掛けた。
もちろんフライロッドを持って行っているので、竿を出す出さないは別にしても釣り券(日券¥1,000)はあらかじめ購入していく。

西丹沢でも特に世附川流域は大雨が降るたびに荒れることで知られていて、行くたびに荒廃が進んでいることが解る。
土質に大きく関係していると思うのだが、山肌が非常にもろく崩れ易い性質がある。これも自然現象のひとつだと思えばしょうがないことなのだろう。

大雨で丹沢の山が崩れるたびに、戦後の植林政策とその後の森林の手入れ不足が取りざたされるが、そればかりが原因ではない。
丹沢山系(正式には丹沢山塊という)は関東の他の山地と生成の仕方が違い、もともと崩れ易い山なのです。


丹沢湖西端の浅瀬から世附川沿いに通る水の木林道をひたすら歩く。大棚沢の分岐からバラシマ林道に入り、切通峠へ向かって大棚沢をさかのぼる。途中、切通沢橋で大棚沢(切通沢)本沢とバラシマ沢に分かれ、バラシマ沢の源頭部を目指すことになる。このあたりが今日の入渓地点です。

バラシマ沢を遡行し、2つ目の小さな橋「バラシマ橋」(標高800m付近)上流で沢は2筋に分かれる。向かって右側(左岸側)が要所小屋沢になる。

ナメ沢や小滝が適度に続き、湿気を含んだ清廉な空気と、苔生して生気を感じる岩の重なりが、静寂な雰囲気を醸し出している。
危険な個所はあまりないのだが、鉄砲水で倒され流されたのか、倒木がところどころで沢をふさぐように横たわる。

標高930m付近で沢は一度伏せ流となるが、じきに水の流れは復活する。
完全に伏せってしまうのは標高960m付近から上だ。
大棚ノ頭の標高は1,268mだから、この上の300mは涸れ沢ということだろう。


伏せ流となる付近で、胴回り10m以上はあろうかというモミの巨木が立っていた。
周囲を威圧し神々しい雰囲気が漂っている。狭い沢からは高い巨木の頂点を見ることも出来ませんでした。

ちなみに、モミ属は、葉の先端が丸く小さく2裂していて、葉が枝につくところが吸盤状になっているところから、ツガやトウヒなどの似た木と区別することが出来ます。また、枝には葉が落ちたあとに円形の葉痕が残ります。周囲に落ちている枝を探して、葉っぱをルーペで見るとよく解ります。


渓魚は伏せ流地点まで遡っても山女魚オンリーで、今回はイワナの顔を見ることは出来なかった。

沢の水が途切れるあたりの止水にも近い溜まりで、小さなドライフライに23cm程度の元気のよい山女魚が掛かった。
こんなところにいるのか! と驚くほどに小さな水の落ち込みにジッと隠れて暮らしていたのだ。

写真を1枚撮り、静かにリリースした。
秋が深まり、良き伴侶を得て次に命をつなげてくれるのを祈って納竿とした。


PS.
昨日は3度もヘビ(1m程度のやや黒っぽい縞蛇でした)と出会った。
ヘビ嫌いの僕は、昔は10m先からでもその姿を見つけることが出来たのだが、最近は緊張感が無くなってきたのか全然気がつかなかった。3匹とも踏みそうになって、相手が驚いて逃げていくまで気がつかないと言う体たらく。
でも、マムシでなくて良かった。秋のマムシは、踏まれそうになると怒って噛み付きますから。

前の西丹沢FF:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2014/05/29/

初夏の西丹沢渓流源流部フライフィッシング … FF・WanderVogel2014/05/29

西丹沢のヤマメ
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仕事の予定が変更になり、思いがけず時間が空いたので、ここぞとばかりに西丹沢奥の渓流へフライフィッシングに出かけて来ました。

ちょっと目を離すとすぐに山へ、渓流へと出かけて行ってしまう、と叱られそうだが、こればかりは性分なので仕方ない。
休日でも人に会うことなどめったにない山奥の沢なので、ウィークデーなら渓流独り占めです。(あたりまえか、)

美しい渓流の水の流れと、日一日と緑の濃くなる木々に癒された一日を過ごすことが出来ました。
渓流沿いには(その昔盛んに植林されたのであろう)ニセアカシア(ハリエンジュ)の花がたくさん咲いています。
ガクウツギやマルバウツギ、バイカウツギも真っ盛り、林道脇の斜面を清楚な白い花で彩っています。
対岸の日当りには大木のミズキの花がだんだんと目立ち始めてきました。

十数年通い馴れた山域ですから、たっぷり2時間以上歩くことになる崩れた林道歩きもさほど苦にはなりません。
目指す沢まで、変わりゆく景色や季節の花々を観察しながら歩き通し、入渓点から沢へと降りていきます。

7フィート6インチ 4番の細いフライロッドを引っ掛けないように、慎重にゆっくりと水の中を歩き 滝を登り、アップストリームでフライをキャストしていきます。

風も暖かくなり、暗い沢の水温も上昇してきて、渓魚たちも沢の中央のヒラキに出て来ていますが、うっかり近づくと一斉に上流に逃げて去ってしまいます。

慎重なストーキングのあと、緩やかな流れの縁めがけて岩陰に隠れながら遠くからフライをキャストします。
水面に軽く落とし込んだ茶色の14番パラシュートフライにきれいなヤマメが一発で飛びついてきました。
岩の下に潜り込まれないように、ヤマメとのやり取りを楽しみます。
至福のひと時です。 そして、日本の渓流は本当に美しい!

ついでに言うと、このあたりは少なくともここ数年間はまったく放流していないということですので、釣れる魚はみな天然魚が自然の中で世代交代していったものだと思います。
(ここがどこかは残念ながら言えないけど…)

午後になると、空が一天にわかにかき曇り雷鳴が谷に轟き渡り、スコールのような豪雨となり、なんと雹まで降り出しました。
真夏のような積乱雲が引き起こした急激な天候の変化です。

狭い谷ではみるみる水かさが増え濁流となり、進退窮まることにもなりかねません。
早々に引き上げたのは言うまでもない。

先日の西丹沢FF:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2014/03/21/

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