横須賀市/葉山町、湘南国際村植樹祭 … 森林インストラクター・WanderVogel2013/05/06

湘南国際村植樹祭
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今日(5/6)は神奈川県の横須賀市と三浦/葉山町の丘陵地帯に広がる湘南国際村で開催された植樹祭に行ってきました。

「めぐりの森」と名付けられた丘の頂上付近に3,000本の植樹作業するというボランティアなのですが、大きな目的は宮脇昭先生の植栽指導を実際に体験してみたいということでした。
指導する宮脇昭先生は、東日本大震災で被災した東北地方を始め世界各地で行なっている宮脇氏独自の植樹理論/植栽方法による植樹活動で、植生再生の世界では今一番注目を浴びている方です。

今日の植樹でも、実際に植えられる樹種は22種以上にのぼり、一定のエリアに多種雑多な木々を密に植えていくという、独特で理にかなった植栽理論に基づく方法を実践指導されていました。
植える木々は常緑広葉樹が主体で、高木も亜高木も低木も一緒くたに植える。
木も甘やかしてはいけないのだそうで、競争して育てるということが大切なんだ!とおっしゃっていました。

木々の樹種選択は元々この辺りに普通に生えていた木であるタブノキ、シイノキ(スダジイ)、ヤマザクラ、カシなどの常緑広葉樹の高木を主体にヤマザクラやムラサキシキブといった亜高木~低木類が入ります。

従来の里山二次林で薪炭材やほだ木、肥料として利用するために昔から人の手で植えられていたコナラやクヌギといった落葉広葉樹はもともとの植生では無いということで、植樹リストに入れられていませんし、植栽と言えば定番のスギやヒノキといった針葉樹は(山での植樹では無いということもありますが…)当然のこと1本も植えられませんでした。

実際に植えられた樹種は、タブノキ、スダジイ、アラカシ、シラカシ、ウラジロガシ、アカガシ、オオシマザクラ、カクレミノ、シロダモ、ネズミモチ、ヒメユズリハ、モチノキ、ヤブツバキ、ヤブニッケイ、ヤマモモ、アオキ、トベラ、マサキ、シャリンバイ、ガマズミ、コムラサキ、ヤマツツジ、ムラサキシキブなど、常緑の広葉樹でこの辺りに自生している樹木としては、おなじみのものばかりです。

この苗木も地元で地元産の親木から生産された、地のものにこだわった森づくりを実践しているということです。
たしかに、三浦半島/葉山の森の植生を考えた時には厳密に言えば北関東の同一樹種のものであっても「外来種」と言えますし、ましてや関西/東北方面や日本海側の同一樹種ではまったく違う木であるとも言えます。


苗木を約60cm間隔くらいに千鳥に植えていき、その上に下草が生え延びないように地面に稲藁をかぶせて縄をかけて留めていきます。
この植樹作業を、600人集まった市民ボランティアの手によって3,000本をわずか1時間足らずで植え終えてしまいました。

何よりも御歳85歳を迎える宮脇昭先生のエネルギッシュな行動力と情熱溢れる熱い話し振りには、こちらもパワーをもらいました。

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