古民家の檜皮壁・ヴァナキュラーなデザイン … 建築の旅・WanderVogel2013/05/19

檜皮張りの壁
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昔の民家の外壁仕上げは、仕上げ材料によって多少種類がありますが、基本的には雨風を防ぐことが最大の役目となります。

今の住宅のように見栄えやデザインで外壁の仕上げ材を自由に選択することはありません。
民家の外壁の工法や材料の選択については、周りの自然環境・気候風土であったり、その村の伝統であったり、手に入りやすい材料であったりと「必然」からくるものです。

昨日のBlogに載せた土壁も民家の外壁としてはポピュラーな仕上げで、日本人には馴染み深い素材ですが、土壁というのはどんなに丁寧に塗り重ねたとしても雨水が掛かれば溶け出してしまい、長い年月の間には風化し崩れてしまいます。
ですので、軒の出を深くして雨が掛からないようにした軒下の上部や室内などでない限りは、相応の工夫をしておかなければなりません。

土壁で雨が掛かりそうな箇所には、写真のように土壁の外側にひわだ(スギやヒノキの樹皮)や板(ヒノキやヒバ、サワラといった油分のある木の板あるいは竹を細く裂いて板状にしたもの)などを張ったり、(雨に強い)漆喰を塗ったりして土壁を雨から守ってやらねばなりません。

外壁仕上げには地方色が如実にあらわれます。
土壁も情緒がありますが、こういった檜皮葺き(張り?)の壁もまた良いものです。

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