古都鎌倉・苔生した五輪塔と七層塔 … 邸園/文化財保全・HM2013/11/02

苔生した五輪塔と七層塔
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写真は鎌倉極楽寺切通し西端の南側山裾にある古い石塔や七層塔が残る墓所の遺構です。

七層塔は安山岩で作られ相輪上部と請花、宝珠は無くなっているがその他の保存状態はすごく良い。鎌倉末期/室町初期に作られたものだといいます。
塔身(下から2層目の立方体に見える部分)には四方に(通常は省略して梵字などが彫られているが)蓮華座上に座した金剛界四仏がきれいに浮き彫りにされていて、高さ3m近くある塔全体のバランスも良くとても美しい七層塔です。

上杉兼方七層塔と伝えられているが、解説によると時代的にこれが墓塔とは考え難いということでした。とはいえ、鎌倉に伝わる層塔の遺品は極めて少なく貴重な存在であることには変わりはなく国指定の史跡になっています。
(史跡というわりにはここへの案内などは少なくて、かなり目立たない存在です。側に立っている木製の案内板も古ぼけていて、文字の一部は判別不能になっていますけどね。)

このほか写真左側のような凝灰岩あるいは安山岩で作られた五輪塔が数基と写真左の凝灰岩製の五層塔がいっしょに残されています。
安山岩で作られたものは石質が緻密で硬いので形が残っていますが、凝灰岩に彫られたものは柔らかいので風雨に晒されかなり風化してしまっています。

石塔などを鑑賞する知識は全くと言っていいほどありませんが、今日は元県立歴史博物館館長だった方に先生をお願いして、解説をしていただきながら鎌倉の隠れた魅力を堪能してきました。詳しい解説を受けての散策でしたので、解らない石塔のことでも理解度はかなり高まりました。

鎌倉には歴史ある国宝級の神社仏閣はもちろん優れたお庭や庭園、明治から昭和初期にかけての近代(別荘)建築など見るべきものがたくさんありますが、今日は鎌倉七切通しの一つ「極楽寺坂」を中心にして成就院やこういった石塔、鎌倉十井の一つ「星の井」などマイナーなところを巡ってきました。

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