ヤマウルシの紅葉と枯れた実 … 山歩き・WanderVogel2013/11/05

ヤマウルシの紅葉と実
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ウルシ科の植物には、ハゼノキ、ヤマウルシ、ツタウルシ、ヌルデなどがありますが、漆液が採取できるのは10mほどに成長する高木樹のウルシだけです。
写真は戸隠森林植物園で撮ったヤマウルシ(落葉低木)の紅葉した葉と垂れ下がる枯れた実です。

昔、里山に植えられたウルシ(ヤマウルシ)の木は樹液を採取するためではなく、この漆の実が目的だったようです。
ウルシは樹皮を傷つけて採取する「漆」だけに利用するのかと思っていましたが、その実はかつては和ロウソクの原料(木蠟・もくろう)や鬢付け油の原料にも利用されていたそうで、またその木材自身は軽くて水に強い性質を持つことから、漁網の浮子(アバキ)として使用され、かつては漆液に次ぐ重要な産物(現金収入)だったようです。
木蝋はハゼノキの実で作るものだと思っていました、同じウルシ科なので当然ウルシの木の実も同じ成分なのでしょうね。

ハゼノキと言えば以前 文京区にある「旧安田楠雄邸」を見学した時に、玄関脇にハゼノキの巨木が立っていて庭木にしてはあまりの立派さに一見して「ハゼノキ」とは分からなくて「この木は何の木ですか?」と聞いてしまったことを思い出します。これも紅葉の時季にはかなりの見物ですね!

漆の木は比較的成長の早い木で、8年~15年漆を掻いた後に切り倒されてしまいますが、根(株)はそのまま残され、翌春には切り株から芽(萌芽枝)が出てまた育ち始めるといいます。切り倒した漆の木の色はかなり黄色みの強い木材ですが、年を経るごとに色が抜けていき落ち着いてくるそうです。

また「石川県輪島漆芸美術館」のfacebookを覗いてみると、ウルシの実(種子)を使った「うるし茶」なるものを作って、地元輪島塗のカップで出しているとのこと。
ウルシの実をきれいに洗い、乾かし、フライパンで炒ってミルで挽くと出来上がりだそうで、香ばしい良い香りのする「茶」になるそうです。
これはぜひ一度 飲んでみたいものです。

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