森の恵み・木材/野生動物 … 季刊地域・WanderVogel2013/10/09

季刊地域
- -
季刊地域のNO.15(秋号)の目次が面白そうだったので、ネット注文して今届いた。
(大型書店では取り扱いがなかった)

特集は表紙にデカデカと書かれているように、野生動物(シカ、イノシシが主体)の利用法で、山で獣を狩猟するところから皮や角・肉の利用方法とその販売についてまで結構詳細にレポートされている。
特に、獣肉を販売する場合は一般の屠畜場が使用出来ないため、専用の獣肉処理加工施設が必要になるわけだが(神奈川県にはひとつもない)そのへんのことも取り上げられていて読み応えはあった。
(ただし、解決策があるかと言うと現段階では先行き真っ暗なのではあるが・・)

それよりも当面の不安要素は、(記事では一切触れられてはいないが、)福島第1原発の事故による放射性物質の拡散と野生動物の体内への蓄積だろう。

材木の記事ではC材に関する取り組み紹介が目を惹く。C材とは建築用材(A材)、建築加工用/合板や集成材(B材)に適さない細い木・間伐材や曲がり木のことを言い、スギのC材なら1tあたり3,000円にしかならないという。これでは伐採/搬出の費用にもならない。

取り組みといっても、あらかたが(薪ストーブ用の)薪材としての加工・販売が主で、残りは細かくチップにしてパルプの材料やボイラー用燃料とするのがほとんどで、積極的な利用という感じからはほど遠いのだが、(交付金などの補助はあるのだろうが)少なくとも経済的になんとか赤字にならずに財源確保が出来ているのであれば、結果的に見れば山主のとっても、森林環境自体にとっても大いに価値はあるのだと思う。

この季刊誌は、現代農業の本の増刊号として出ているのだが、副題として「むら・まちづくり総合誌」とうたっているだけにその他の記事もなかなか読みでがある。


追記:埼玉県は昨日10/8、野生動物(イノシシ、ニホンジカ)の放射性調査で、秩父市浦山で捕獲された「ニホンジカ」の肉から国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る、200ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。
昨年10月以降、県内で捕獲されたニホンジカの食肉の出荷と販売の自粛要請をしているが、引き続き自粛要請をしていくという。(埼玉新聞より)

アクセスカウンター