古都鎌倉/御霊神社・タブノキの巨木 … 邸園/文化財保全・HM2013/11/07

鎌倉御霊神社のタブノキ
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鎌倉長谷の近く(坂ノ下)にある御霊神社の境内脇には樹高:20m、胸高周囲:4m、樹齢350年の堂々たるタブノキの巨木が立っています。
かながわの名木100選と鎌倉市の天然記念物に指定されています。あたり一面に太い枝を伸ばし、驚くほど立派なタブノキです。

3.11東日本大震災の時に大津波にも生き残った「奇跡の木」として一躍有名になり、宮脇昭先生の「潜在自然植生=常緑広葉樹・照葉樹」の名前としてもいつも真っ先に登場するあの「タブノキ」です。
各地にある神社やお寺の「鎮守の森」にはタブノキやシラカシやクスノキなどの照葉樹が植えられていた、というイメージがありますが、実はそういう樹種が植えられたのは明治時代以降・特に終戦後になってからだという調査結果もあります。
理由の一つは、薪の需要が無くなり伐採が減り、肥料の需要もなくなり落ち葉の採取が行なわれなくなったことが影響してのことだそうです。そうであれば、鎮守の森=常緑広葉樹・照葉樹という図式とは単純にいかない、ということになりますね。鎮守の森の照葉樹林は案外歴史が浅いということか。

今、盛んに東北の海岸で行なわれている宮脇方式の照葉樹の森づくりも、自然の植生を目指すのであれば最初から照葉樹林ありきと言えるほど単純ではないのかもしれませんし、そもそも宮城県などにあった長大な海岸林については仙台藩時代から延々と人の手で管理されてきた人工の海岸林なわけですので、樹種選定での意味合いも技術的な点からもかなり違いがあるのではないでしょうか。

とはいえ、御霊神社のこのタブノキは少なくとも350年は経っているのですから、この木は江戸時代からこの地に立っていたというわけです。例外的に…。

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