最近目につく設計図面自体の不備 … 第三者監理・検査2014/11/06

参考基礎伏図
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以前からもあったことはあったが、最近特に目につく設計図面自体の不備について。

現場での作業員不足は言われて久しいが、設計部門でも同じことが起きているのか、それともたまたまその会社の体質だったのかは解らないが、このところ続けて同じような事例がいくつか続いた。

設計図の出来上がりがまったく遅い。しかも、他の図面との食い違いも大きい。


ある木造住宅の場合、しっかりとした正確な図面が仕上がらないうちに、現場作業だけが先行して進んでしまうということが起こってしまった。

変に勘繰れば、人がいなくて図面作成は追いついていないが、とりあえず工事開始(着工済み)の格好だけは付けておこう、ということなのか?

建物の構造上一番大事な基礎の図面が正確に出来上がっていなければ、当然その上に建つ木工部分のプレカット図などとの図面照合も出来ないことになる。
こんな状況で現場作業に突入すれば、施工の間違いや勘違いなど数多く発生するのは目に見えている。


第三者監理で必ず行なう「図面チェック」で、重大な食い違いや間違いを発見するのも、最近ではそれほど珍しいことではなくなっている。

施主側が第三者監理などを入れてチェックすることなく、もしそのまま工事が進んでしまえば、結果的にかなりいい加減な工事になってしまう危険性をはらんでいます。
それこそ「欠陥住宅」と呼ばれるようなことになってしまう可能性はかなり大きい。

しかも、それら重要な箇所ほど、そのまま1ヶ月も施工が進んでしまうと隠れてしまって、まったく見えなくなってしまうものなので、余計に始末が悪い。


先日も、提示された設計図面のチェックをしてみると、木構造自体も屋根の防水や外壁通気などにもかなり問題が出そうな木造住宅の新築監理依頼があった。

その後のハウスメーカーとの三者打合せでよく聞いてみると、その会社では今までマンションの室内のリフォームしかやったことがなく、一軒丸ごとの設計や工事は始めて、ということであった。
どうりで図面のつじつまが合っていないはずです。構造的にも問題がありますし、確実に雨漏りもするでしょう。

ということで、工事が始まる前からさっそく設計変更・仕様変更ということになりました。
といっても、設計者も施工者もまったく技量が伴っていないわけですから、これからが大変です。こちらも気が重いです。


最近の一番ひどい事例は、RC造の新築戸建住宅の設計図面をチェックしていると、どのように造るのか私が見てもよく解らない図面になっていた、というがありました。
構造図面(らしきもの)を見ても、うまく配筋出来そうにもない設計で、コンクリートの打設計画も立てられないのではないかと思われるほど見事に(?)つじつまの合わない図面でした。

これではスタートする以前の問題だと、私も頭を抱えてしまった。

詳しく聞いてみると、こんな調子でズルズルと何ヶ月経ってもまともな図面が出来上がらない。という状態のようでした。
(当然のことですが)設計作業はそこでストップしてもらいました。

でも考えようによっては、その段階で根本的に「ダメ」なことが解っただけでも(施主にとっては)良かったと思っています。
時間は掛かるが、仕切り直して(設計者を替えて)再スタート出来るのですからね。


う~ん、、最近こういうの本当に多いんですよ。

まあ、事前に図面を精査する(チェックする)という作業は、施工上の不具合を是正していくのと重要度は同じかそれ以上なのですが、、。
私は愚痴を言えば多少は気も晴れますが、この先 高いお金を払っていく施主にとってはたまらないと思います。

これから新築を建てようとする方は、施工上の目に見える不具合や工事上の欠陥を防止するだけでなく、計画上の欠陥・不具合にも十分に気を配ってください。

銅管パイピングによる温水床暖房設備 … 第三者監理・検査2012/09/13

銅管パイピングによる床暖房
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最近あまり見かけることの無くなってきた、銅管配管による温水床暖房設備です。

銅管配管はどうしても配管同士の繋ぎが多くなるので、最近ではあまり用いられなくなってきた施工材料です。
(もっとも、最近はシート状になった床暖房パネルキットや電気床暖房マットなどを使用することの方が多いのですが…)

一般的に温水をループ状に循環させて部屋を暖める温水床暖房システムの場合、施工上のリスクとなるのが配管同士のつなぎ部分からの漏水です。

部屋ごとに床暖房のON/OFFを制御する場合、温水ボイラーから循環させる際にはヘッダーを設けて分岐して各部屋まで配管しますが、経路が長くなりますとどうしても曲がり部分が多くなってきます。

配管自体の腐食や耐久性ということだけでなく、つなぎを出来るだけ少なくするという意味合いから最近では架橋ポリエチレン管や架橋ポリブデン管を使用するケースがほとんどです。

この現場は昔ながらの銅管配管で、その上にアルミ板を張って面で発熱するように施工されています。


せっかく特注で作ったのだが、中途半端な雨水枡 … 第三者監理・検査2012/07/29

中途半端な施工の雨水枡
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(写真はバルコニーの雨水配管の出口部分を、排水マス(三角のマス)と共に上方から撮影したものです。)
外壁の施工検査で発見した2階バルコニーの雨水排水の不良工事です。

せっかく建物形状に合わせてステンレスで特注した雨水マス(縦樋につながるマスの部分)なのですが、これではいかにも中途半端な施工です。

壁から突き出ている2本のパイプ。上のパイプはオーバーフロー用パイプ、下のパイプはバルコニー床面の雨水排水管です。
外壁面に対しバルコニーの手摺壁が鋭角に取付いていますので、隅ギリギリに雨水排水管等を施工するとこのようにかなり無理が生じます。

施工中に(少なくとも排水パイプを施工した時には)こういう状況になることは十分に予想し得たにもかかわらず、後々の納めのことなど何も考えずに行き当たりばったりで施工を進めてきたことがこの原因です。

当然 既成の枡なども取付けられず、エルボー(90度曲がっているパイプ)なども差し込めず 苦肉の策として、雨水マスの方を特注して造り付けているのですが、壁に留めている(固定している)ビス留めの状況も何とも心許無い感じがします。

おまけにこの状態では、まとまった雨が降り排水管から雨水が流れ出すと、排水マスを飛び越えて外壁との隙間にジャバキャバ流れ込んでいくでしょう。

早急な改善が必要です。


排水管からの気になる水音漏れの防止には … 第三者監理・検査2012/02/08

防音排水管
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台所のキッチンシンクや浴室、トイレなどの排水配管からの水音は、静かな夜にはけっこう気になるものです。

最近の住宅の設備配管では、あらかじめ排水管に防音処理(吸音材+遮音材)を施した上で、施工を進めるケースが増えています。
特に排水配管の通るルート付近に寝室などがある場合は、こういった排水配管の防音処理は欠かせなくなっています。

塩ビ管に防音材を巻き付けて製品化している「防音排水管」も出ていますし、現場配管された塩ビ管に後から巻き付ける「後付け施工タイプ」の防音マットも出ています。

音に敏感な方や配置レイアウト上どうしても排水配管が寝室近くを通る場合など、水音が気になる方は施工前に一度チェックしてみるのも良いかと思いますよ。

参考:戸建用防音排水管「音ふうじ」フネンアクロス(株)

ユニットバスの配管不良で引越初日に漏水事故 … 第三者監理・検査2012/02/07

UB配管からの漏水事故
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ユニットバスの配管は床下で行なわれますが、ブロアやジェットなどの設備が付いていない限り、配管システムそのものは単純なものです。

給水管、給湯管、追い焚き用の戻りの給湯配管、そして排水管がユニットバスの床下で専用のコネクターを使って接続されています。

通常は給水管は接続後に圧力試験をして接続不良をチェックしますし、給湯管や戻りの配管接続に関しても屋外給湯器がセットされた際に一度接続状況を確認し、ガスの供給がされてからさらにガス器具の試運転と調整をしますので漏水のチェックは引渡しまでには完全に出来ているはずなのですが…。

先日無事に?、引渡しをした物件で、引っ越しをした日に漏水トラブルの連絡がありました。

この住宅は2階にUBがあるのですが、どうやら給湯配管の接続部から配管がすっかり抜けてしまい、大量の水が1階の個室の天井裏に落ちて壁の一部や床までびっしょりと濡らしてしまったのです。

引っ越し初日での事故ですが、天井を下地ごと撤去し、壁もPBまですっかり取払い、床フローリングも全て剥がしてやり直しというかなり大げさな工事になってしまいました。
(引っ越しの荷物が濡れなかったのが不幸中の幸いでしょう。)


設備業者のほんのちょっとした確認ミスが、施主にとっても施工業者側にとっても、大きな代償を払う結果となってしまいました。


松島近くで設計した温泉施設の震災報告2 … 地震被害調査2011/04/08

松島・夢実の湯 2
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松島の山中に10数年前に設計した温泉施設も今回の震災被害を受けました。2

温泉施設にとって震災が起こった時に一番心配になるのは、設備系のトラブルと温泉源泉井戸の枯渇です。

温泉施設には通常の建物よりも設備配管も多く、複雑ですので震災時にトラブルになりやすいからです。


源泉の温泉井戸も地震が原因で、突然温泉の地下の経路が変わってしまい、最悪に場合 枯渇してしまうケースは珍しくありませんし、泉質や温泉の色が変わってしまうということもあります。

ただ、地震と温泉と火山はある意味、根が同じですからこれはしょうがないことなのかもしれません。


オール電化住宅の普及が裏目に? … 巨大地震の被害と影響2011/03/24

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東京電力は2000年代に入ってから、オール電化住宅の普及を推進してきました。
それ自体は今回の大災害が起きなければ、これほどの問題になるとは想像しなかったでしょう。


東京電力によると、東電管内9都県のオール電化戸数は2002年3月末時点で1万3000戸だったのが、わずか8年後の10年末には85万5000戸に激増しました。

東京電力では「原子力発電は発電時に二酸化炭素を排出せず、地球温暖化の防止につながり、かつ省エネにもなる」とアピールし、電気料金の割引を適用するなどで、急速な普及につながってきましたが、今回それがまったく裏目に出た形です。
(東電によると、ここ3年間だけでオール電化住宅の戸数が倍増したことで、原子力発電プラント2基分!の電力消費能力が増えた、と発表している)
( *YOMIURI ONLINE NEWS より)

東京電力は、東日本巨大地震後の大きな電力不足の発生により、計画停電をせざるをえない状態が続き、オール電化の普及策自体も抜本的な見直しをせざるを得ない状況になってきています。


私たちもここで一旦立ち止まって、経済性も安定を前提としたエコも、それと並行してリスクマネージメントを考えていかないと、こういう事態に遭遇するととたんに出口を失ってしまうことになります。


破損した太陽光発電パネルの取り扱い … 巨大地震の被害と影響2011/03/23

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太陽光発電協会は、東日本大震災の影響で壊れた太陽電池パネルについて、取り扱い上の注意点をウェブサイトに掲載しています。


壊れた太陽電池パネルでも太陽の光が当たると発電する可能性があるので、屋根から外れて家屋などのがれきと一緒に積み上げられた太陽電池パネルは、感電するので素手で触らないようにと警告しています。

震災などで破壊された太陽電池パネル取り扱い注意点。*太陽光発電協会HPより

(1)素手で触らないこと。

(2)救助および復旧作業などで壊れた太陽電池パネルに触れる場合は、乾いた軍手やゴム手袋など絶縁性のある手袋をする。

(3)複数の太陽電池パネルがケーブルでつながっている場合は、ケーブルのコネクタを抜くか、切断する。可能であれば、太陽電池パネルに光が当たらないように段ボールや板などで覆うか、裏返しにする。

(4)可能であれば、ケーブルの切断面の中の銅線がむき出しにならないようにビニールテープなどを巻く。

(5)太陽電池パネルを廃棄場に運ぶ際は、念のため、ガラスを金づちなどで細かく破砕する。


また、壊れていなくとも、停電時に太陽光発電を利用しようとした場合、太陽光発電装置は通常、起動時に交流電源を使うため、設定を変更しないと停電時には立ち上がらない。

停電時に太陽光発電装置を起動するには、前提として設置している装置自体が「自立運転機能」を備えている必要があります。
太陽光で作った直流の電気を交流に変換する装置「パワーコンディショナー(パワコン)」の本体に自立運転用のコンセントがあれば、停電時の起動が可能ということです。

自立運転モードに切り替えるには、まず住宅の主電源ブレーカーと、太陽光発電ブレーカーを落とし、通常の電力を遮断し、次にパワコンの自立運転モードのスイッチを押す。
そしてパワコンの自立運転コンセントに電気機器をつなげば電力を得られる。 という手順で再起動をしなければ行けないようです。


ただ、自立運転モードでは、発電量が小さくなるといいますから、すべてを太陽光発電まかなうことは到底出来ませんが…。

詳細は太陽光発電協会ウェブサイトを参照。

住宅屋根の太陽光発電パネルからの落雪注意 … 第三者監理・検査2011/02/17

太陽光パネルからの落雪
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国民生活センターは2月3日、屋根に設置された太陽エネルギー利用パネルから雪が滑り落ち、重大な事故になるおそれがあるとして注意を呼びかけています。


太陽光発電システムなどのソーラーパネル(太陽電池モジュール)のパネル表面はガラスでできているため、雪が勢いよく落ちる傾向にあります。
しかし、カタログ等には積雪や落雪に関する表記はなく、落雪の衝撃や危険性が設置業者や消費者に十分に周知されていないといいます。

国民生活センターでは、太陽光発電協会やソーラーシステム振興協会などの事業者に対しても、パネル設置に際して、地域ごとの気候条件や屋根の仕様などに応じた配慮と適切な雪対策の周知を求めています。

雪国では冬期の落雪騒ぎは割とポピュラー?なので、それ相応の注意・配慮がなされていますが、その他の地域では住民もあまり気にしていないのかもしれません。


特に今年の雪国以外の地域での記録的な積雪で、その被害や相談が多いようです。

中には、屋根から3メートル以上離れた場所に落ちたケースもあり、東京や埼玉など普段あまり雪が降らない地域での事故情報も寄せられていると言います。



メーカーや取付業者だけでなく、既に設置している方もこれから住宅を建てる施主も、一度 屋根のソーラーパネルを見上げてちょっと注意をしてみてください。

屋根設置の太陽エネルギー利用パネルからの落雪に注意 http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20110203_1.pdf


最近よく目にする環境配慮型店舗 … 設計・環境・省エネ2010/11/03

環境配慮型店舗
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最近、町中でも目につくようになった「環境配慮型店舗」という看板を取付けたコンビニ店舗。


特に郊外型独立店舗の場合は、上の看板写真のような省エネに関する様々な試みで設計されているようです。

日本中にたくさん建っているこういった郊外型のコンビニが、すべてこのような配慮で建てられれば、かなり大きな省エネ効果が得られるでしょうね。


実際に、店内外の全ての照明がLED照明になっている店舗に入ってみると、入った瞬間はまだ見慣れないLEDの直線的な光に戸惑いますが、それも店内にいる間に馴染んでくるものです。

LEDは発光面が小さいので、屋外から店内を見た時には「暗さ」を感じてしまいますが、実際の照度は十分に取れているのでしょう。



今、私の所で増築計画の設計をしている施設の照明も既存部分も含めて、全て(プール室や水中照明も)LED照明に変更します。
今後の照明設計にも生かせるデータを集めることが出来そうです。


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