神武寺山中で見かけたイタビカズラ … 自然観察・WanderVogel2015/12/23

イタビカズラ
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昨日のイチジク属つながりで、イヌビワの足元に生えていたイタビカズラ
(別名:ツルイチジク)

イヌビワと同じクワ科イチジク属の常緑ツル性植物(互生)。
そのへんで割りと良く見かける葉っぱ(葉裏の葉脈にかなり特徴があります)だから、そんなに気にしてみたことは無いのですが、イチジクつながりということで書いてみました。
でも、岩肌や地を這うその形態からはどうしてもイヌビワと同じ仲間とは思えないですよ。

ちなみに、漢字では「崖石榴」と書きます。
崖(がけ)が付く意味はその生態から何となく解りますが、石榴(ざくろ)と書くのは何故なんでしょうね?

ここは「神武寺周辺の岩隙(がんげき)植物群落」として、逗子市指定史跡名勝天然記念物に指定されています。
逗子市教育委員会が立てた解説看板には、「神武寺周辺の山地は、海底に堆積した泥砂が凝固した堆積岩(三浦層群)が隆起して形成されています。渓谷の斜面や切通しなど、岩肌の露出した日陰には、独特な植物が育成し、これらの植生を岩隙植物群落と総称します。特に、神武寺周辺にはコモチシダ、イワトラノオ、ミツデウラボシなどの羊歯(シダ)植物や、これら羊歯(シダ)類に類似した生き方をするイワタバコが常に生育し、この群落を特徴付けています」と書かれています。

イタビカズラもそんな岩肌に取り付いて生きるツル植物のひとつです。
その他に、ジャゴケの一種やミゾシダといった植物の名前も挙げられていました。

昨日のイヌビワと同じ属とあるように、雌雄異株で雄木・雌木ともに同じ形の1cmほどの花嚢(花・実)を付けるといいますが、僕はまだ見たことはありません。
探してみたが、実らしきものは見つからなかった。もう少し真剣に探せば見つかったのかもしれないなぁ。

そして、昨日の話し同様に、受粉にはこの木独自に共生関係を結んだイチジクコバチ類の虫がセットで必要で、この雄木の花嚢の中にはそのイチジクコバチ類が寄生している、ということなのでしょうね。きっと。

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