地盤と基礎下(地盤補強)の関係2008/03/24

週末の数日を新潟に出張してきた。
このところの暖かい陽気と雨のせいで越後の山の雪も消え始めている。しかし今回はもちろん全部仕事であるからのんびり山を眺めているわけにもいかず、ましてや解禁までにはまだ1週間ほどあるのでそれこそ指をくわえていた感じだ。

仕事の半分は設計した医療施設群の定期報告の建物調査である。

もうひとつはRCと木造の混構造で設計する建物の施主打合せである。建設地は数年前大きな地震で被害の出た震源地近くの小千谷市である。
当然、設計で重要なことのひとつは「耐震性」だ。建物自体があまり重くならない今回のようなケースでは、一般的に地盤調査もボーリング調査までは行わずスウェーデン式サウンディング調査で確かめることが多い。
もちろん精度からいえば前者に利があるが、そのぶん調査金額も後者の5〜6倍近くになるのがネックだ。
木造3階建て程度の規模の建物の基礎設計で必要な要素は「地耐力」である。地耐力は「地盤支持力」と「沈下量」から求めるが、サウンディング試験では支持力しかわからない。
沈下についても土質そのものについても「推定」することしか出来ない。
また、試験に使用される道具そのものが礫層などでは貫入していかずに測定不能となるなど測定できない項目が多くそれゆえ試験結果から導かれる最終判断については調査員の知識・技量や経験に大きく左右される。

したがって実際、現地での試験と判断については経験豊富で地元での調査実績がありかつ、現地の地盤状況についてよく知っている地元の地盤調査会社から選ぶことにしている。
できれば地盤補強の設計も出来、基礎形状のアドバイスも出来るところがベストである。

また建物の設計者がその検査に立ち会うことも重要だ。
数年前に同じ地区で地震で倒壊している建物や亀裂の走る地盤を目の当たりのすると慎重になってもなり過ぎということはない。
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