東北地方で行なわれている震災復興の植栽について … 震災復興・WanderVogel2013/11/11

宮城県・海岸防災林の再生(抜粋)
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昨日(日曜日)は横浜関内での「OPEN! HERITAGE 25 in 関内」イベントと重なってしまったこともあって、湘南国際村で開催されていた「めぐりの森 植樹祭」への参加は出来ませんでした。
5月の植樹祭blog:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2013/05/06/

11/7のblogでもちょこっと書いたのですが、宮脇昭先生の提唱する「潜在自然植生=常緑広葉樹・照葉樹」の植樹理論/樹種選定方法が東北地方(特に宮城県の海岸一帯を中心として)の植栽方法として本当に良いこと(正しいこと?)なのか、という疑問が最近ふつふつと湧いてきています。

三浦海岸や湘南地区であればそう言う考え方も成り立つのかもしれませんし、実際以前植林されたところ見てもまあ順調に育っているように感じられます。

ただその時の宮脇昭先生による植樹理論の解説では、一定のエリアに多種雑多な木々を密に植えていく「混植・密植方式」という「独特で理にかなった植栽理論に基づく方法で実践指導」ということだったのですが、考えてみると陽樹と陰樹、先駆種と後続種の区別無くなんでも一緒くたに植樹してしまい無理矢理木々同士を競争させるというのが本当に自然界で起こりうる自然な状況なのだろうか、との素朴な疑問も浮かび上がってきます。

震災復興関連の報道などでは「植樹」そのものを取り上げることはひんぱんにあるでしょうが、「植樹その後」についてはどのくらいニュースとして取り上げられているでしょう。

宮城県海岸域で2011年7月に植樹されたタブノキやアラカシなどが、2012年3月にはそのほとんどが枯れて褐変してしまっている、というショッキングな事例をみると、その土地の気候風土をしっかりと見定めて樹種の選定・植栽の技術的手順を決めていかないとせっかく多くの善意で行なった植栽行為がまったく無駄になってしまいます。

東北に限らず東日本の海岸緑化でのタブノキ等の照葉樹の植樹の良否については、下記の(宮城県農林水産部)報告書を読んでみると、なるほど!と納得するものがあります。

宮城県が仙台藩時代から過去幾度も経験してきた大津波や塩害との戦いの末にたどり着いた海岸林造林の歴史から、海岸林としての樹種選定の科学的な考察までわかり易く書かれています。
少なくともこういった長い年月を人の手で維持されてきた海岸林の植生に関しては、タブノキやアラカシといった高木性常緑広葉樹の選択肢はないということになりますが、実際はどうなのでしょう。

[PDF] 宮城県における海岸防災林の再生に向けた取り組み ― 植栽樹種選定に向けた検討を中心に ― http://bit.ly/1c5e1k0 

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