「山歩き」の一段深い!ステージへ … 山歩き・WanderVogel2013/11/13

オオバアサガラの実
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今年9月中旬、西丹沢の世附川金山沢を釣り上がって源頭部近くまで釣行した際に見かけた木の実が何だか解らなくて、ずっとモヤモヤしていましたが、やっとその正体が判明しスッキリしました。

オオバアサガラ(大葉麻殻)の実で、山地の渓流沿いや林道沿いに多く生える先駆種の樹木だということが解りました。確かに生えていた場所は、林縁の少し広くなった所で陽のよく当る場所でした。
そう言えば、丹沢でも沢沿いの林道や登山道を歩いていると、淡褐色の幹に、大きな葉をつけた若木を時々目にします。
丹沢は特にニホンジカが多いところなので、鹿の嫌いな(不嗜好植物)オオバアサガラだけが食べ残って繁殖しているのかもしれません。

植物図鑑では、オオバアサガラの果実は9月~10月に熟し、淡褐色の毛を密布させた狭倒卵形(10陵)の形状をしている、と書かれています。
でも、その時この実を見た感じでは色も明るい薄緑していましたし、キレイにらせん状に取り付いているように見えたので、不思議な実もあるものだと首を捻ってその時は写真を数枚撮るだけで済ませましたが、もうちょっとしっかりと特徴を捉えておけば良かったと、深く反省しました。

植物は(特に樹木は)その時その季節によって見え方が違いますし、その育っている環境によっても個体差が大きかったりとなかなか解りにくいものです。おまけに先入観を持って見てしまったりすると、それも大きな勘違いの元です。
その時には判別がつかなくても、写真を撮ってきて後でじっくり調べてみてあらためて解る植物がたくさんあります。
う~ん、まだまだ勉強不足だな。

ですが、僕自身 何となくこのところ「山を歩く」ということの意識というか楽しさの度合いが以前とは少し変わってきているように感じるのですよ。
山に登るという行為は同じなのですが、ルートファインディングなど登山技術の向上や山岳自然景観を楽しむという要素に加えて、その山域全体の環境であるとか、動/植物の生態/植生であるとか細かいことが理解出来てくると、もう一段階深いところで自然と一体になれている気がして、自然と会話が出来ているようなそんな不思議な感じなんです。

建築でも美術・芸術でもそうだが、理解度の深さはその対象にどれだけ真剣に向き合ったかに比例する、ということなのだろうなあ。
この歳になってそれに気付くのは遅いのかもしれんが…。いや、まだ取り返せるかな。

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