変わった花のツリフネソウにもちゃんと理由があるんです … 自然観察・WanderVogel2015/07/26

ツリフネソウ
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先日、出張の帰りに三国山のふもとで見つけたツリフネソウ。

緑の斜面の中に点在するピンク色の花は、ワインディングロードを走る車の窓からでも容易に発見出来ます。
道路脇の少し広くなっている場所を探して車を停め、斜面を上がって確かめてみるとツリフネソウがあちらこちらで花を咲かせて(ぶら下げて?)いました。
座間にある谷戸山公園で見かけたキツリフネソウと色違いのツリフネソウです。

この花、変わった形をしています。小さな船を吊っているような形からツリフネソウというのですが、生態もちょっと変わっています。

7/17のblogでホタルブクロとマルハナバチの共存関係についてチラッと書きましたが、このツリフネソウも同じように(トラ)マルハナバチと密接な関係を持っています。

花のお尻のところにクルッと丸まった部分が写っていますが、実はこの中には美味しい蜜がたっぷりと詰まっているのですが、誰でもそこまでたどり着けるわけではありません。

ツリフネソウの壷型の花の形状にあった体つきをしていてかつ、この丸まった筒から上手く蜜を吸い出す口を合わせ持ったトラマルハナバチしか蜜を吸うことは出来ないのです。
そして花の内寸にピッタリの身体付きをしたトラマルハナバチは美味しい蜜を受取るのと引き換えに、ツリフネソウの思惑通りに、花粉をしっかりと身体にこすり付けらることになります。

同じ仲間の少し身体の大きいクロマルハナバチは、太っていてこの花の中には入ることが出来ません。このサイズにジャストフィットするのがトラマルハナバチというわけなんです。

ちなみに、サイズの小さいミツバチなどは中には入れますが、蜜にまでは届きません。上手く出来ているもんです。
自然界の仕組みって、ほんとうに面白いですねぇ。

キツリフネソウの花:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2015/06/28/

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