塩水橋から天王寺尾根・丹沢山へ … WanderVogel2013/05/26

丹沢山ツクバネウツギ
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東丹沢の自然観察を目的に、宮ヶ瀬湖にそそぐ支流「塩水川」沿いの林道を歩き、堂平を経由して天王寺尾根に突き上げ、尾根伝いに丹沢山の山頂まで登ってきました。

丹沢山の東側は「御林(おんばやし)」と呼ばれる幕府が所有する山林だったということもあって、「自然の森」の姿が残っているエリアです。
「御林」では、ツガ、ケヤキ、モミ、スギ、カヤ、クリの6種類の木は伐採が禁じられていたそうです。

広葉樹林の山道を歩いていると、ちょうどシオヤシオ(ゴヨウツツジ)やトウゴクミツバツツジが開花を迎え、フジや様々なウツギ類も花開いて、頭上に花が舞っているようです。
標高600mから1000m近くのブナやイヌシデ、クマシデ、カエデ類の新緑は今が一番みずみずしく、降り注ぐ木漏れ日が林全体を柔らかく包み込んで、まさしく自然の生命力に満ち溢れている感じでした。

写真はツクバネウツギの花です。
花の根元に見える5枚の萼片が、羽根つきの羽根に見えることからその名が付けられたそうです。
その他にマルバウツギ、ガクウツギ、コゴメウツギ、ノリウツギなどのたくさんのウツギ類が可愛らしい花を付けていて、目を楽しませてくれます。

1000mから上の稜線上には大きなブナ林を見ることが出来ます。
また、元々の植生であるツガやウラジロモミも場所によって見ることが出来ますが、根元近くには樹皮を鹿に食べられないように保護アミがかけられています。

鹿の被害は丹沢全エリアに広がっていて、林床の低木類/草木類だけでなく、鹿のエサとなるツガやモミの樹皮も大きな被害にあっています。

今現在、被害に遭わずに林床に残っている低木類といえば、毒のある木(アセビ)や草(バイケイソウ/テンニンソウ)など鹿の嫌いな特定の樹種だけになってしまっています。

コースタイム:
(登り3.5時間、下り3.5時間程度のゆっくりしたペースでの山行)
塩水橋ゲート(8:30)~堂平(10:30)~天王寺尾根合流(11:10)〜丹沢山山頂(12:10)~昼食(12:40)下山開始~天王寺尾根分岐(13:20)〜天王寺峠分岐(14:50)~本谷川林道(15:10)~塩水橋ゲート(16:10)

地図=1/25,000:大山

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