横浜自然観察の森・自然観察とホタル鑑賞 … インストラクター・WanderVogel2014/06/29

小学生の自然観察
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今日は午前中から、市内の小学校の4年生を対象にした自然観察会+ホタル鑑賞会のインストラクターを務めてきました。

金沢区と栄区の間にある自然観察の森のフィールドを借りて、140名余りの児童と先生方を対象に8名の森林インストラクターが引率して、森の中やアップダウンのある尾根筋・谷筋、水鳥の集まる沼、森と人とのかかわり合いを学べる里山・雑木林など多岐に渡る自然の姿を2時間半かけて見て回ります。

日本に生えている木も草も、昔から利用されすべて人の役に立ってきました。
山の中には役に立たないものはひとつもない、といえるほどすべてに渡って様々な効用を見つけて人はそれをうまく使ってきました。
いま、そういう「先人の知恵」みたいなものが日本から急速に失われていっているような気がします。

木材と言えば建築材料(柱、梁、壁材、屋根葺き材など主要な材料)をすぐに思い浮かべますが、じつはそれ以外にも様々なことに利用されてきました。

春の新芽は料理して口に入りますし、樹皮を取って染料にしたり紙を作ったり、葉っぱからは畑や田んぼの肥料も作りました。木の実は人間にも動物にも貴重な食料になりますし、絞って灯火の油にもなります。

もちろん石油や電気が生活に入り込むまでは、言うまでもなく木材が(暖をとるにも、煮炊きをするにも)唯一無二のエネルギー源でした。

小学生を連れて山を歩きながら、周りに生えている大きな木々を見ながらそんなこともお話をしていきます。

写真は、園内にある炭小屋(僕も会員になっている雑木林ファンクラブが行っています)に小学生たちを集めて、森の樹木がどういう具合に私たちと関わってきたのか、役に立ってきたのか、をお話ししているところです。
炭を焼く「炭焼き窯」なんて見たことない子たちがほとんどですから、とても興味を持ってもらえたようです。(なかには窯の中まで入って見る子も)


今日の関東地方の天気は、午後から突然の雷雨やスコールで大嵐のようになっているところも多かったようですが、横浜南部は朝方少し降った以外は終日かんかん照りの日差しで、まるで真夏のようでした。雨に降られることがなかったので、足下の不安はなかったのですが、アップダウンのある自然観察コースではちょっと暑すぎてハードだったかもしれません。

日が暮れてから、再度みんなでホタルの群れる池まで出かけます。
暗い闇の中を幻想的に飛び回る本物のホタル(ゲンジボタル・ヘイケボタル共に)を見せてあげることが出来たこと以外に、もうひとつ良かったなぁ、と思ったことがありました。
わずかな時間ではありましたが、班ごとに少人数に分かれて森の家からホタル池までの行き帰り、電灯もない真っ暗な山(?)道を歩いたことです。

真っ暗な山を歩く時に感じる自然に対する素直な恐怖心・気味の悪さなど、昼間同じ道を歩いた時とまるで違った姿がそこにはあるんだ、ということを経験できたと思います。
真っ暗な山道なんてものともしない子もいましたが、多くの子にとっては、自然の持つ「二面性」を少しは理解できたと思いますが、どうかな?

普段の生活のなかでは、本当に真っ暗な夜なんてありませんからね。
普段、経験しないことを今回は経験出来たのではないか、と思います。

小中学校の自然観察会では、こういうことを経験させることがとても大事なのではないかな、と思います。
大人の観察会インストラクター活動や古建築の解説ガイド活動などでは得られないものを今日は子供たちからもらうことが出来ました。
私のとっても今日は大変気持ちの良い、実り多い一日でした。

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