神奈川ワイルドライフフォーラムに参加してきた … 自然観察・WanderVogel2014/09/23

神奈川フォーラム
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神奈川県(環境農政局 水・緑部自然環境保全課)主催、神奈川県農業協同組合中央会、神奈川県猟友会の共催で第1回「神奈川ワイルドライフフォーラム」というのが横浜・鶴見で開かれ、それに参加して来ました。

1人で参加をしたのですが、会場に行くと見知った顔が10人程度いて、やはり関心がある人は来ているもんだなと、納得した次第です。

午前の基調講演は20年以上も米作りなどの農業に関わり、農業コンサルタントもしているという俳優の永島 敏行氏でした。
東京湾に近い千葉市で生まれ育ち、実家は旅館をしていたとのこと。私より1つ年上ということなので、まだ身の回りにたくさん自然が残る子供時代を過ごした世代です。
永島氏の話しの中にも、共感やその思い出が重なるものが多くありました。

午後からは自然環境保全課や農政課の専門官、鳥獣被害防除対策専門員らの報告などが続いて行われ、これもなかなか興味深いものであった。

神奈川県内で自然環境が広範囲に残っている地域というと、まずは丹沢・大山の丹沢山塊一帯、そして南足柄・箱根地域、そして意外に思われるかもしれないが三浦半島にも多くの自然が残っています。

私の借りている畑も、ちょうどその三浦半島の中央部に位置しますから、タヌキやハクビシン、アライグマなどを始め、様々な野生動物が現れます。


特に秋から冬にかけてのこの季節からは、人と野生動物とが接触する機会がグッと増えてきます。

秋になると山の木々は多くの実を付けますが、動物たちは畑に植えている野菜やフルーツが美味しいことも知っています。クマもイノシシもシカもタヌキもみな、人の作った畑に出て来て食べ物を漁るようになります。

野生動物による農業被害、森林被害は年々大きくなって来ています。特にホンドジカ(ニホンジカ)は、春から秋にかけては林床の下草、冬の時期は木の樹皮などを手当たり次第に食べ尽します。


ワナや猟銃による駆除は一方では可哀相な感じもしますが、野生動物と人間と山の生態系とのバランスをうまくとっていく上では有用な選択肢なのです。しかし、やはりここでも高齢化の問題は深刻です。
神奈川県でも狩猟免許を持つハンターの7割は60歳以上という超高齢化が進んでいます。

平成25年度に丹沢地域で行ったシカの駆除の総数は約2,000頭と言われていますが、シカの方はシカ算で増え続けていきますので、これだけ駆除しても増える頭数には及びません。相変わらず増え続けていくことになります。

おまけに神奈川県内には野生動物の肉を食肉に加工する解体・食品工場が1つもありませんので、駆除したシカやイノシシは仕留めたハンターが持ち帰らない限り、山中に埋めて処理するしかないのが現状です。

そんなことを再確認したフォーラムでした。

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