貴重な桃山建築・天瑞寺寿塔覆堂の内部 … 建築の旅・WanderVogel2013/06/11

天瑞寺寿塔覆堂内部
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三渓園内に移築されている天瑞寺寿塔覆堂は、太閤秀吉が実母の大政所の長寿を祈願して天正十九年(1591年)に建てた寿塔を覆うためのお堂で、建設年がはっきりしている秀吉ゆかりの桃山建築として非常に貴重な建物です。

今、三渓園内で開催されている重要文化財建築物内部の一挙公開で、滅多に見ることが出来ない建物内部を見学することが出来ます。

桃山建築といっても建物全体の基本デザインは内外部共に「禅宗様」で構成されています。

外部は長い年月を風雨に晒されていたことで、正面の唐破風下の彫刻の一部にわずかに建設時の色彩が残っている程度で全体的はモノトーンで落ち着いた(?)くすんだ色合いになってしまっています。

しかし内部を見ますと、禅宗様独特の上部がすぼまった柱頭部や組物に描かれた多彩な色彩で描かれた文様や折り上げ格天井の鮮やかで細かい細工文様が残っているのが解ります。
また、天井外周の縁に描かれた唐草文も残っていて、格天井の持つ厳格なイメージの強い室内空間に華やかさと柔らかさを与えています。

建物は外側から見ただけではその価値の半分しか解りません。
特別に内部公開されているこの機会に三渓園を訪れるのは価値があります。公開は今週末の6/16(日)までです。

以前のblog:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2013/03/19/

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