「木に学べ」西岡常一著 を読み返す … 古建築・専門書2013/08/02

木に学べ
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薬師寺/法隆寺宮大工棟梁の西岡常一棟梁の書いた(話した)「木に学べ」という古い本を久しぶりに本棚から引っ張り出して読んでみる。

内容は古建築の専門書という感じではありませんのでスラッと読み進められますが、何度読んでもほうほうと納得させられてしまう読み物です。

法隆寺と薬師寺を解体修理/再建した時の貴重な話が半分と道具類の愛着話を含めた自伝的な話が半分、どちらも情熱的な語り口で語られていて面白く読めますし、書かれている内容そのものが興味深い!
飛鳥時代の大工の技や工夫、当時としては最先端をいく構造や建築デザインなどについて熱く語られています。

本中の「樹齢千年のヒノキを使えば、建造物は千年はもつ」という一節にみられるように、建築物を作るという行為は山に生えている(育てている)状態の木の性質(クセ)や性格を読み取ることが大切だと、これも熱く熱く語っています。

構造体の話や複雑な組物の話なども、古建築の学者・研究者の話ではなく、実際に手を動かし造っている“棟梁”の語る話しなので、違った視点から見ると解釈も違うものだなぁ、と納得したり 感心したり。

法隆寺や薬師寺など白鳳/飛鳥時代の木造古建築に興味のある人だけでなく、森林や木そのものに興味のある人にもぜひ一読をお勧めしたい著書です。

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