千石の下町銭湯「おとめ湯」最後の見学会 … 建物散策・邸園/文化財保全2013/09/03

千石 おとめ湯
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60年の歴史に幕を閉じた千石/巣鴨 下町の銭湯「おとめ湯」の見学会を地元有志が企画したので猛暑の中行ってきました。

こういういわゆる「銭湯」らしい銭湯はついこの間まで身近にあってけっこう利用していたので別に特別な想いも抱かなかったが、最近周りを見渡してみると確かに一気にその数を減らしていることに気が付きます。というか、ふと気が付くと一気に絶滅の道をたどっているのか?
この玄関の唐破風に千鳥破風、漆喰でデザインされた鏝絵(こてえ)を持つ「宮造り銭湯」は関東周辺ならではのデザインなのだそうです。

内部は東京の「銭湯」のセオリー通りに、高い格天井の脱衣場と同じく高い板張り天井を持つ浴室空間で構成されています。
大きな浴槽の向こう側にはタイル絵と壁一面に描かれた富士山と松の砂浜のペンキ絵(おとめ湯の場合は男湯には和歌山の瀞峡の風景が、女湯には岩手の陸中海岸の風景が描かれています)、腰高のタイル壁の両面に作られた洗い場など、だいたいどの銭湯でも同じようなレイアウト・デザインで「非日常」を表現しています。

ここ「おとめ湯」の変わっている点は、男女の浴室を隔てる部分に屋外の中庭が作られていて、富士山から運んできたという溶岩を積み上げ、その上にツツジを植えてあることでしょう。
中庭の足下には池を作り鯉まで泳いでいたそうで、洗い場からガラス越しに鯉の泳ぐ姿を横から見ることが出来る仕掛けまでされていたというから確かに「非日常」的です。

地元の横浜にはまだ銭湯がいくつか残っていますが、確かに年々少なくなってきていることは確かです。
もしかして、今の子供たちは銭湯なんて入ったことないのかもしれんなぁ。

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