江戸五木・六義園のモッコク … 自然観察・WanderVogel2013/09/02

六義園のモッコク
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「江戸五木」という言葉がある。江戸時代に江戸で珍重された造園木を言うのだそうです。

モッコク、アカマツ、イトヒバ(サワラの変種)、カヤ(イチイ科)、イヌマキ の五木を指し、昨日行った六義園にも写真のモッコクを始めアカマツ、イヌマキ、カヤ、などが植えられているのを確認出来ます。(イトヒバはそれらしき高木は目にしたのですが、葉自体は遠目でハッキリ確認出来ず、木肌からはサワラかヒノキか判別が難しかった。)

モッコク(木斛)はツバキ科の常緑高木で葉っぱがロウをぬったようにテカテカして美しく、葉自体も小さいので直立した樹形や枝振りが遠目でよく解り、庭木の王様として尊ばれたのでしょう。

六義園は大きなしだれ桜といろんな種類のツツジで有名だそうですが、もともとはマツが多く植えられていた庭園だったということで、今でも立派なアカマツ・クロマツが存在感を見せています。

池内にある蓬萊島に立っていた有名なマツは東日本大震災で乗っていた岩ごと倒れてしまい、今は見る影もありませんが、今年中に元通りにマツを植え替えるという話しでした。もっとも、この蓬萊島自体が大名(江戸時代)が住んでいた時には存在していなくて、岩崎家が庭園を入手しいろいろと自分の好きなように手を入れた時に造られたものといいます。

何かの本に、もともと庭園とは「いつ、誰が造ったか」も大切ではあるが、それ以上に「その後、誰がどのように管理あるいは手入れをしてきたか」が重要となる。庭園が他の建築や彫刻、絵画といった造形美術と異なる点はここにある。というようなことが書かれてあったが、まったくその通りです。
ただ、誰がどういう「想い」でそれ(池や岩や樹木など)を配し、庭を造り上げていったかはきちんと押えておいた上で庭園を鑑賞することは大切なことです。

江戸時代の姿と岩崎家に移ってからの庭園の姿を見比べて(想像して)みるのもまた面白いものです。池や築山、散策路にとどまらず植えられている樹木や草花にもそれぞれに思惑や思い入れがあるものですから。

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