旧葛生町のフレスコ画と石灰工場の見学 … 建物散策・自然素材/芸術/文化財2013/10/01

葛生町のフレスコ画
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今日は栃木県の旧葛生町(現 佐野市葛生地区)のフレスコ画の作品見学と制作過程の話しなどを聞いてきました。

フレスコ画の作家であり葛生町に最初にフレスコ画を持ち込んだ、壁画LABO主宰の大野彩先生と現在も町内に留まり数年の歳月をかけて屋外フレスコ画の大作(写真の壁画)を制作している日本画家でもある福島恒久氏の案内で町中に制作されているフレスコ画を見て回りました。
また、この町最大の産業である石灰岩の採掘・生成をやっている吉澤石灰工業株式会社の工場内の巨大な石灰生成機械などを見学し、フレスコ画の材料そのものの制作過程なども直に見ることが出来ました。

上記の福島恒久氏ともう1人の画家と共同で制作している長さ24mにもおよぶ長大なフレスコ壁画は平成18年の秋から制作に入ったものだそうですが、完成までにはあと2〜3年はかかるとだろうと話していた。
ミニアチュールのようにものすごく細かい描写も制作期間を長引かせている要因なのだろうが、屋外のフレスコ壁画はその制作環境に大きく左右されることから、春と秋の気候が安定している時期でないとうまく描くことが出来ないとのでこれだけの日数がかかるのだと話されていた。

しかし、こういう制作過程の様子を日々見られることは、周りの方々にとっては楽しいことだろうな、と感じます。

フレスコ画とは?(ちょっとだけ解説)
フレスコ画とは砂と石灰を混ぜて水で練って作ったモルタルを壁に塗り、下地が乾き切らないうちにその上に水だけで溶いた顔料で絵を描く技法のことです。
まだ濡れている石灰の壁面に、水で溶いた顔料をのせて描くと、石灰水がその顔料を覆い空気中の二酸化炭素と反応して透明な結晶となり下地に定着します。
フレスコ画と言うとやヨーロッパ各地にある教会などの壁画を思い浮かべますが、奈良県明日香村にある高松塚古墳(西暦700年頃に作られた飛鳥の古墳)石室内に描かれた壁画などもこの技法で描かれたものです。

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