唯一落葉する針葉樹・カラマツ … 自然観察・WanderVogel2014/02/27

カラマツ
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日本にはたくさんの針葉樹が生えていますが、カラマツだけが(日本では)唯一 落葉する針葉樹です。別名「落葉松(らくようしょう)」とも呼ばれています。

秋になると独特なカタチをした針葉がいっせいに黄葉して、山全体を黄金色に染め上げます。
また、春の新葉は明るく柔らかな黄緑色をしていて、新緑の季節もまた目の覚めるような美しい光景が広がります。
(写真は昨年晩秋に行った戸隠森林植物園内のカラマツの木:真ん中の黄葉した木がカラマツです。)

昨日も書きましたが、カラマツは戦後木材需要の増加を見越して日本全国(特に、北海道や長野県、岩手県、埼玉県など)に盛んに植林されました。
割れや狂いの出やすい材質の材なので、もともとは電信柱とか工事で使う杭材などへの利用を想定して植林をしていたようです。

今、その時に植林した木々たちがちょうど伐採期(収穫期)を迎え、山からの切り出しを待っています。
しかし、当初予定していた用途の需要は今ではほぼ無くなっていますから、有用に切り出されることも無く、山に放置されたままです。

カラマツの山は新緑・黄葉時は確かに美しく、山の感動的な風景を演出する役目を十分に果たしていますが、もともとは使うために植えられた木ですので、どんどん切り出してどんどん使っていかなければ結局は放置林になってしまいます。

カラマツはスギなどに比べると確かに扱いにくい(曲がりやすい、クセがあるなど)材といわれてきましたが、材料強度が高く(強度はアカマツに次いで2番目)、腐朽性(材の中にヤニが含まれることと、心材近くの壁孔閉鎖の性質が水を染み込みにくくしている)もあり、また材自体が廉価ということもあって最近では構造材(カラマツの集成材・カラマツとスギの集成材など)への転用・利用が積極的に図られています。

最近では加工技術の工夫によって材のねじれや曲がりを克服して、カラマツ材の持つ木目の美しさを生かした家具づくりも積極的に行なわれているようです。

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