冬でも緑々した日本自生種のキヅタ … 自然観察・WanderVogel2014/02/21

キヅタ
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キヅタ[木蔦]は北海道南部から日本列島全体に普通に自生しているツル性の常緑種です。

名前の由来は夏緑性のツタと比べて「木本的」であることから付けられたようです。
夏緑性のツタは冬にはすっかり葉を落としてしまいますが、キヅタは冬でも緑々した葉っぱがあることから「フユヅタ」とも呼ばれています。

写真は里山の林縁部の日当りの良い場所に立つ樹木に取りついていました。キヅタの茎は非常に登はん性に優れていて、茎の各所から根(気根)を出して相手に付着していきます。
ただ、他のツル性の植物と違って樹木などに取りついた時にも「巻き付く」ことはないので、締め付けて寄主の樹木を枯らすことはありません。野山では樹木だけでなく石垣や岩壁など何にでも付着して、上へ上へと伸びていきます。

葉っぱは緑々としていて概ね卵形(実際にはいろいろな形状があるが)をしていて、かたまって咲く小さな花が終わったあとには写真のような黒い小さな実がなります。

明治時代に入ってきたのが同じ常緑ツル性植物のアイビー(西洋木蔦、ヘデラ)ですが、ガーデニングや観葉植物というとなぜかアイビーばかりがもてはやされているように感じます。日本自生種のこのキヅタもなかなか美しいと思うのですが…。
(といっても、我が家にある鉢植えのものも実はアイビーなんだけどね)

西洋では冬に緑々した葉の植物が少ないということもあって、ヤドリギなどと同様に冬でも緑の葉を付けているアイビーは特別な力の象徴とされ、家屋の壁に這わせれば雷や魔力を避けられると信じられています。
ヤドリギ: http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2013/12/25/

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