西黒尾根のツリバナ・谷川岳尾根歩きの魅力 … 自然観察・WanderVogel2015/10/07

西黒尾根のツリバナ
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谷川岳登山指導センター前のゲートの隣に、真っ赤に色付いたツリバナの実がいっぱいぶら下がっていました。
まだ緑々した葉っぱとのコントラストが、紅色をさらに際立たせています。

ツリバナ、漢字でもそのまま「吊花」と書きます。美しい紅葉で名高い「ニシキギ;錦木」の仲間です。
この時期は吊り下った種子だけが色付いていますが、そのうちに葉っぱもきれいに紅葉してきます。
ですので、この種類は二度「紅葉?」を楽しめるというわけです。

神奈川県/丹沢の山中でもポピュラーに見ることが出来るツリバナですが、西黒尾根でも指導センター周辺の比較的標高の低い場所ではたくさん見ることができました。

指導センターが建っている地点が標高750m程度ですから、ここから西黒尾根を登り、トマの耳(標高2,000m弱)まで上がると、高低差1,200mを歩き通すことになります。

谷川岳は標高が2,000mに満たない中級山岳ですが、新潟県境に接する特殊な地域性と風土・険しい地形などによって、標高ごとに異なる個性豊かな植生を段階を追って見て歩くことが出来ます。それがここの尾根の大きな魅力のひとつです。

谷川岳周辺は森林限界がおよそ1,500m前後と低いため、3,000m級の北アルプスと同じくらい数多くの高山植物が見られることでも知られています。

また、山登りの視点から言えば、天気の良い時を選んで西黒尾根を登れば、目指す頂上とそのルート(西黒尾根)、帰りの尾根(天神尾根)の状況と終着点(天神平ロープウェイ乗場)、大源太山や越後三山方面、万太郎山から平標山・苗場山方向までもがいっぺんに見渡せるのも魅力です。
何と言っても、どこを目指すにせよ目標地点がずっと見えているというのは、大きな安心感があります。


ただし、濃霧の日や吹雪の日に登るとなると、かなり辛い登山を覚悟しないといけません。
舐めてかかると、牙を剥く山の恐ろしさを身をもって実感することになります。


季節はすでに10月に入っていますので、残念ながら高山植物の花の季節は終ってしまっています。
西黒尾根登山口から谷川岳頂上まで登る道すがら、目に入ってきた樹木や花や実を付けていた植物をざっくりと列記してみると、以下のような感じでした。(順不同)

ススキ・ツリバナ・クロモジ・コクサギ・シロヨメナ・ウワバミソウ・ズミ・ブナ・ヤマザクラ・ツツジ類・イロハカエデ・ハウチワカエデ・ヤマアジサイ・イワガラミ・コナラ・ホウノキ・トチノキ・ウリカエデ・ホソエカエデ・モミ・シラカバ・ミズナラ・アラカシ・ヤブタバコ・ムラサキシキブ・フユイチゴ・ムシカリ・カシワバハグマ・ツタウルシ・ツルアリドオシ・オヤマボクチ・ミヤマシキミ・シャクナゲ・コブシ・モクレン・タムシバ・ユキザサ・ツルリンドウ・ツルシキミ・ヤマハゼ・ウルシ・フデリンドウ・ガマズミ・イワショウブ・アカミノイヌツゲ・ウメバチソウ・ミヤマナラ(ミズナラの高山種)・ハイイヌガヤ・ヤマハハコ・ナナカマド・ウリハダカエデ・ヨツバヒヨドリ・シシガシラ・などなど

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