彩りの少なくなった林内 ヤブコウジの紅い実 … 自然観察・WanderVogel2015/11/27

林内のヤブコウジ
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この時期になると庭先の木にも花の姿が消えて、少しさびしい感じになってきますが、その中で目立つのが万両、千両といった小さな紅い実を付ける低木類でしょう。

いずれも秋からお正月にかけて紅く熟すので、正月の縁起物として親しまれてきました。

万両はヤブタチバナ(薮橘)という名で、ヤブコウジの仲間です。千両は別名をクササンゴ(草珊瑚)といい、こちらはセンリョウ科の低木です。
百両はカラタチバナ(唐橘)、こちらもヤブコウジの仲間、十両はこの写真のヤブコウジ(薮柑子)、もちろんヤブコウジ科(新分類体系ではサクラソウ科)です。
一両はアリドオシ(蟻通・虎刺)でこちらはアカネ科の低木で、幹に鋭い細長いトゲがあり、小さな蟻も突き通せるほど細い刺を持つことから名付けられたと言います。

ヤブコウジの仲間とセンリョウ科の見分け方は、ヤブコウジの仲間はみな葉の下に紅い実を付け、センリョウは葉の上に紅い実を付けるので、見分けは簡単です。

写真は、昨日の自然観察の林内で見つけたヤブコウジの紅い実です。
ヤブコウジという呼び方は近代になってからで、古くは「赤い果実を山のミカンに見立て、ヤマタチバナ(山橘) という名で呼ばれていた」と図鑑にはありました。

色の少ないこの時期の林内では、葉っぱの下に隠れたこんなに小さな紅い実でもよく目立ちました。

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