ソメイヨシノに先駆けて咲くのはヤマザクラの花? … 自然観察・WanderVogel2015/03/21

ヤマザクラ?オオシマザクラ?
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金沢八景駅までの道すがらソメイヨシノの並木に混じって1本だけ満開のサクラの木を発見しました。
見ると、河津桜でも彼岸桜でも淡墨桜でも無いようです。どうもヤマザクラっぽい感じがしますが、オオシマザクラかもしれません。

ヤマザクラの花は平地にあってはソメイヨシノより早く、葉の展開とともに咲くのが特徴ですし、葉の形(鋸歯が鋭く、葉先が長く伸びている形状など)がヤマザクラらしい特徴を備えています。

ヤマザクラとオオシマザクラ、(ソメイヨシノ)の見分け方として下記のようなことが言われています。

「サクラの仲間は葉柄や葉身にとても小さな粒状の腺点(蜜腺)があり、その場所が種類を区別するひとつの指標になります。
ヤマザクラは多摩丘陵によく見られますが、腺点(蜜腺)は葉柄の中程につきます。ソメイヨシノでは、葉柄の最上部や葉身の基部につきます。
稀に植栽されているエドヒガンでは葉身の基部につきます。
同じく稀に植栽されているオオシマザクラでは葉柄の上端部に2個が不揃いにつきます。
なお、オオシマザクラは花が白くて遠くから見るとやや青白く見えるのが特徴です。また、オオシマザクラの葉は他の桜の仲間に比べると葉の丸みが強いのも特徴のひとつです。 」

オオシマザクラの葉には、よい香りがあり、塩漬けにして桜餅を包むのに使われていますので、その花を知らなくても葉っぱはよく知られていますね。


ヤマザクラの方は上記以外で特定出来るこれといった特徴はなく、変異というか個性がそれぞれたくさんあって、花の形状や咲く時期、幹の色・肌合いどれひとつ取ってみてもいろいろなタイプがあります。
4月に山裾で咲き競うヤマザクラを見てもわかるように、それこそ様々でみな個性派揃い、といったところでしょうか。

ましてや、公園などに植栽されているサクラの中には、オオシマサクラとヤマザクラの交雑種というのもあって、一概に両種に分類するのは無理がある場合がある、とまで言われていますので、ますます見分けは困難で、などと、考えてみるとそこまで厳密にこれは何という名前で…、と人の付けた名前に固執することも無いか。

単純に素直に春の花「桜」を愛でるということで良いではないかな?

(そう言い切ってしまうと、身も蓋もない話しではあるのだが…) 

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