山で見かける変わった種子や果実も楽しい… 自然観察・WanderVogel ― 2016/09/16
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先日行った上越・平標山から仙ノ倉山の標高2,000mmの稜線上で見かけたニッコウキスゲの朔果
昨日も書いたように、これから山は紅葉の季節に入っていきます。
この時期の山歩きは、紅葉の美しさにばかり目を奪われがちですが、冬芽や種子の観察も面白いものです。
写真はニッコウキスゲ(日光黄菅)の果実・乾果(朔果)の様子です。
3室に分かれた子房の中に、いっぱい黒い粒状の種子が入っているのが見えます。
乾果の形状はユリと同じような感じですが、ユリの種子には翼があって、風に乗って遠くに運ばれるのを前提としているのに対し、ニッコウキスゲは写真のように丸い粒状の種子なので、風で振り落とされた種子はその近くにバラまかれるイメージなのでしょうね。
指で弾いてみると確かにパラパラとこぼれ落ちます。
ニッコウキスゲと同じ仲間に、ノカンゾウやヤブカンゾウ、ハマカンゾウなどがあります。花の形もこの乾果の形状も良く似ています。
ただ、ハマカンゾウは名前の通り海岸近くに生えますし、ノカンゾウやヤブカンゾウは低山や里山の湿気の多い草地に生えますので、見られる環境にはそれぞれ違いがあります。
また、ノカンゾウは自家不和合性を持つため、結実した姿を見ることは少ない、と言われていますし、ヤブカンゾウの方はもともと三倍体なので結実しないようです。
興味を持たなければただの「枯れた実」で、振り返ることも無く通り過ぎてしまいますが、ちょっと見方を変えるとそこには結構面白いストーリーが隠されているものですよねぇ。
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先日行った上越・平標山から仙ノ倉山の標高2,000mmの稜線上で見かけたニッコウキスゲの朔果
昨日も書いたように、これから山は紅葉の季節に入っていきます。
この時期の山歩きは、紅葉の美しさにばかり目を奪われがちですが、冬芽や種子の観察も面白いものです。
写真はニッコウキスゲ(日光黄菅)の果実・乾果(朔果)の様子です。
3室に分かれた子房の中に、いっぱい黒い粒状の種子が入っているのが見えます。
乾果の形状はユリと同じような感じですが、ユリの種子には翼があって、風に乗って遠くに運ばれるのを前提としているのに対し、ニッコウキスゲは写真のように丸い粒状の種子なので、風で振り落とされた種子はその近くにバラまかれるイメージなのでしょうね。
指で弾いてみると確かにパラパラとこぼれ落ちます。
ニッコウキスゲと同じ仲間に、ノカンゾウやヤブカンゾウ、ハマカンゾウなどがあります。花の形もこの乾果の形状も良く似ています。
ただ、ハマカンゾウは名前の通り海岸近くに生えますし、ノカンゾウやヤブカンゾウは低山や里山の湿気の多い草地に生えますので、見られる環境にはそれぞれ違いがあります。
また、ノカンゾウは自家不和合性を持つため、結実した姿を見ることは少ない、と言われていますし、ヤブカンゾウの方はもともと三倍体なので結実しないようです。
興味を持たなければただの「枯れた実」で、振り返ることも無く通り過ぎてしまいますが、ちょっと見方を変えるとそこには結構面白いストーリーが隠されているものですよねぇ。
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