建築物のガイドボランティア活動を通して … ガイドボランティア・邸園/文化財保全2013/08/16

月華殿
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三渓園でガイドのボランティアをしていると、時にいろいろな方々と様々な話題で盛り上がることがあります。

先日は、よく外国のいろんな友人を案内して東京中を回るという方から、日本らしさや日本的な空気感を見てもらう、知ってもらうにはここ(三渓園)が一番適していると思います、と言われました。

確かに渋谷・新宿・秋葉原といった現在の(サブカルチャーとしての?)日本文化を知る場はたくさんあるでしょうし、浅草や東京下町の神社仏閣などは詳しい説明をしなくてもそれなりに東洋的な魅力を感じてくれるのでしょうが、それって日本のある側面を見ているに過ぎないのでは?

ですから、そういった表面的な現象としての「日本」理解ではなくもう1段高い(深い?)ステージでの「日本」を見てもらうには、日本の建築文化、庭園文化を通して「日本人」のものの考え方などを知ることが出来る(?)三渓園はうってつけなのかもしれません。

ここでは建物の配置や吟味された材料と造作(デザイン)、庭園のつくり、植えられている草木のひとつひとつに「理念」と「想い」が表現されていて、そこに「日本人」ならではの 礼節を重んじる心、自然を愛でる心、高い芸術性、そして深い宗教心が込められているのを見てとることが出来ます。

京都や奈良に行けるのであればそれも良いのかもしれませんが、関東近郊なら「三渓園」と「鎌倉」がベストではないでしょうか、とその方にもお話をしました。
まあ、どちらも上で書いた東京の街よりかなり田舎ですから観光客も少なくて、のんびりムードで見て歩くことが出来ますからね。

日本の建物、庭園というのは、大勢でゾロゾロと見て歩くのにはあまり適していませんから、出来れば一人静かにその場に身を置くのが正しい見方でしょう。

建物と周りの草木とのバランスと色合い、そこを吹き抜ける風、見えてくる景色、聞こえてくる風や鳥の声など全てが建築を理解する助けになります。

写真は、家康再興の伏見城の遺構であると伝えられる「月華殿」です。
桃山時代の書院造りの特徴をよく残していると言われるように、落ち着いた中にも雅な雰囲気を感じさせる建物です。

以前のblog:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2013/06/11/

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