ドクダミを鉢植えにしてみたら意外と馴染んでる … 自然観察・WanderVogel2017/06/01

ドクダミの鉢植え
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バタバタしていてタイヤ交換の時期を逃し、やっと本日スタッドレスタイヤをノーマルタイヤに交換した。

ついでに庭の伸びきった植木たちを少し手入れした。
といっても、だらしなく伸びている枝をバサバサと切り詰めただけなのだが、夕方時だったのでヤブ蚊に刺されまくってひどい思いをしながらの作業になってしまった。
地面を覆っているシダ類(コバノヒノキシダ、タマシダ、ホウライシダ、ヤブソテツなど)で鉢植えも作ってみた。

ドクダミの種子がどこからか飛んできて、わさわさと侵蝕し始めている。
そのドクダミが花を付けていたので、これも小さな鉢に植え替えてみると、意外と鉢植えの姿に馴染んでいる。


ドクダミは本来「三倍体」なので、種子が飛んできて発芽することは無さそうなのだが、生命の知恵だな、ちゃんと増える術を身に付けている。
三倍体の植物というのは意外に多くて、ドクダミの他にもセイヨウタンポポ、ヒガンバナなど日頃よく目にするものが多くある。
人間を含め動物や多くの植物は「二倍体」で、オス・メスで偶数の染色体を持ち、2つの生殖細胞のうちにひとつが細胞分裂して増えていくが、三倍体は奇数なので割り切れず、正常に細胞分裂して増えていくことが出来ない。つまり、雌しべが雄しべの花粉を受取っても種子を作ることが出来ないのだ。

ヒガンバナは人の手で球根を植えていくことで日本国中に広まって行ったが、ドクダミやセイヨウタンポポなどは人の手で増えたというわけではない。
ドクダミなどは上記にように正常に受粉をして細胞分裂し種子を作り増えていくことは出来ないのだが、その代わりに受粉せずに種子を作る術を身に付けている。
遺伝子が同じ、ということになるので、種子というよりはクローンと言った方が良いかもしれない。
もちろん、ドクダミは根を延ばしても増えることも出来るので、根とクローン種子の両方で増えていく、ということになる。

ドクダミやセイヨウタンポポがあちこちで蔓延っている理由のひとつはそういうことだと言える。

この方法、一見非常に効率の良い増え方のように思われるが、遺伝子情報がひとつということは多様性がないということにつながり、その個体が対処出来ないほどの病気が流行った場合、同じ遺伝子を持つ群全体が一気に絶滅する危険性・リスクを抱えていることになる。


二倍体で作り出される、様々な遺伝子情報(個性)を持った、多様性に富んだ個体群であれば、個々によって強い・弱いがあったとしても、群としては絶滅するリスクを分散させることが出来る。
進化の過程で、その生物がなぜその方法を選択したのかは大きな謎なのだろうが、その選択を間違った恐竜たちは滅んでいってしまった、ということなのだろう。

では、私たち人類はどうだったのか?

人間は地球上で自らの生存と繁栄を成し遂げるため、生命体としての「多様性」と生き残るための「社会性」という重要なふたつを選択した、ということになる。

しかし、自ら選んだその選択だって(数万年という)長い時間の中で考えれば、最良の選択だったのかどうかは解らないのではあるが、、、


ドクダミの鉢植えを作りながら、そんなことを考えた。

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