だいぶ食べられてしまっていたアカネの実 … 自然観察・WanderVogel2017/10/30

アカネの実
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先日下見をした自然観察の森で見かけたアカネの実、黒い実は目立つのですでにだいぶ鳥たちに食べられてしまっている。
どんな鳥が食べに来ているのかは判然としないが、たぶんヒヨドリとかメジロとかがついばみにやって来ているのだろうと想像する。

果実はまん丸い形をした液果で、中に種子がひとつ入っている。秋も終わりのこの頃にだんだんと黒く熟していって、冬には地上部はほとんど枯れてしまう。
花は8月から9月にかけて写真のこの実の数分だけたくさん咲くのだが、淡い黄緑色の小さな花なので、気に留めていないとほとんど気が付かずに通り過ぎてしまうほど目立たない存在だ。
ツル(茎)の断面は四角で角ばっていて、茎も葉柄も触ると細かな逆さトゲが指に引っ掛かるのが解る。アカネはそのトゲを活かして他の植物に巻き付き、勢力を伸ばしていく。


地下茎(根)が赤い色をしていることから「赤根・茜・アカネ」と呼ばれるようになった。
赤い根は平安の昔から染料として使われてきていて、いわゆる「茜色・あかねいろ」の語源となったツル性の植物だ。

その鮮やかな紅い色は、「茜さす・あかねさす」と表現されるように、明るさを強調する枕詞として、平安時代から多くの和歌に読まれてきた。
日本人の持つこまやかな情感を表すもののひとつだ。


昨年の暮れに歩いたネパールヒマラヤ山中の村でも、これとまったく同じようなアカネを見つけ、親しみを感じたことを思い出した。
ネパールのアカネ:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2017/01/12/

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