伝統技法研究会/石の講座・東京芸術劇場 … 邸園/文化財保全・HM2012/10/03

東京芸術劇場
- -
伝統技法研究会主宰で行なわれた連続講座「江戸・東京の都市空間と石材」に参加してきました。

最近内装を大きくリニューアルした「東京芸術劇場」で行なうというので、少し早めに行って内部もついでに見学してきました。

特に竣工時の1階から5階まで直接登る長いエスカレーターが撤去され、中2階を壁際に新たに造ってそこにエスカレーターを新しく配置し直したので、空間全体もより大きくなったように感じました。
なにより、評判の悪かった恐怖のエスカレーターの印象がだいぶ緩和されましたね。

駅から地下を通ってアプローチしてくる主要動線も整理され、使い易くなったのではと思います。
それと、1階エントランス部分に風除室を設けて外部と区切ることで、今まで半屋外だった1階フロアを室内化したのはとても良かった。

1階中央に円形の明るいチケット売り場を配置することで、大きなガラス屋根を持つ無機質な大空間全体に柔らかさが出ていました。
また、内装カラーリングも今回のリニューアルで全体的に暖色系にまとめられ、5階フロアも同様に大改装してあったのも好感が持てました。


「江戸・東京の都市空間と石材」の講座は、江戸から明治・大正・昭和と移り変わる時代と伊豆の石材との関係など、地質学の観点からの話しを織り交ぜながら解説されていて大変参考になりました。

横浜の洋館建築や東京の町家の中にも石造りの建物はまだ残っていますが、それらの建築物を造られた時代や様式・スタイルなどからだけでなく、その使われている「石材」にスポットを当てて考察してみると、またいろいろ違ったものが見えてくるものです。

そういう視点もあるのだということに気付かせてくれた、とても面白い講義でした。

・・・定期的に つづく

アクセスカウンター