山岳遭難とGPS・道迷いを起こさないために … 山歩き・WanderVogel2017/05/01

地図とコンパスとGPS
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昨日のニュースで、「神奈川県内の昨年の山岳遭難者137人のうち、40%超の56人が気付かないうちに登山道を外れるなど道に迷ったことが原因で遭難したことが、県警地域部の調べで分かった。」というのが流れていました。

神奈川県内の山岳遭難は毎年増加傾向にあって、昨年初めて100件を超えました。
まさに今この時期のゴールデンウィークや秋の紅葉シーズンが顕著で、年間約95万人が観光に訪れるとされる大山(標高1,252m)や塔ノ岳(標高1,491m)、鍋割山(標高1,273m)といった、イメージとしてはあまり「高い山」「危険な山」という感じのしない低山での発生が多いのだといいます。

日本の登山の鉄則である「迷ったら慌てて下ろうとせず、いったん上って元の道へ引き返す」「まちがっても沢には下らない」といったセオリーを守れば、山岳遭難は少なくなるのだろうが、実態はなかなか難しそうです。
僕もそうした低山の登山道で、スニーカー程度の靴と軽装で夕方近くに頂上に向かって登って来る人を何度も見かけています。
話しかけてみると、地図もコンパスも何も持っておらず、自分が今どのあたりをどこに向かって歩いているのかあまり理解していない人もいました。もちろん、ヘッドランプも持たず、防寒着になるような衣類も持っていない状況です。

確かに丹沢の山域の中でも、上記の山などは携帯の電波が届く範囲で、スマホの地図くらいは表示出来るので、本人たちは何となく安心感を持っているのでしょうが、町中をナビするようには単純に自然の中は歩けませんよ。


僕自身最近は吹雪や濃霧でホワイトアウトしてしまうような状況の山歩きはあまりしていないので、本格的なGPSは必要ないのかもしれないが、それでも「保険」として山歩きにはだいたいGPSは携帯して行きます。
尾根歩き(先日の西黒尾根もそうですが)などでは、晴れてさえいれば自分の位置は周りの景色から正確に把握(山座同定して自分の位置を割り出す)することは出来ますし、目的の山の姿も目視出来ますので不安になるようなことはありませんが、それでも行動中何度かGPSで自分の正確な位置を確認するようにしています。

僕の場合、GPSは山歩きよりもフライフィッシングの沢歩きで活躍しています。
谷は尾根と違い、山座同定が出来ません。もちろん馴れていれば、地図とコンパスで自分の位置を見つけられるのですが、時に完全に見失うこともあります。
GPSは頭上にあるいくつもの静止衛星からの電波(日本、アメリカ、ロシア)を受信して位置を割り出していますので、正確です。5mとズレません。
また、沢を遡行し、魚留めの滝や高捲きを強いられる危険な滝・堰堤などがあれば内蔵のカメラで撮影し、次回釣り歩く時の参考にしてコース取りや時間配分に重宝して使っています。


そんな便利なGPSでも、バッテリーが切れたり故障したりすればただの箱です。(バッテリーは予備を必ず持ちますので、切れるということはまず無いのですが、故障はこれは予測出来ないですね。)

ということで、ザックの中には必ず国土地理院の1/25,000の地図とSILVAのオイルコンパスを入れています。

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