ラダックやチベットで使われていたギイの壷 … 手仕事・Workshop2017/06/17

ギイの壷
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ラダックやチベットで使われていたギイの入っていた木の壷

久しぶりに棚を覗いてみると、ちょっとカビていたので、軽く拭いて風を通してあげた。

ギイ(ghee)はインドやネパール、チベットなど南西アジアの地域で良く使われる油(発酵バター)で、インドでは水牛やヤギの乳から作られ、チベット圏ではヤクなどの牛の乳で作られます。
世界各地で同じような油(バター)は使われていると言われていますが、彼の国々では三食の食事に絶対に欠かせない重要な調理材料のひとつです。
ギイが無ければ本格的なインドカレーもダルバートもチベット料理も作れない、といっても過言ではないでしょう。


チベット族の住む地域というのは、だいたいどこも標高3,000m以上の山あいの地です。
高地ですので、外を普通に歩くだけでもかなり強い紫外線を浴びることになります。
これは何も旅人(トレッカー)だけの話しではなく、現地の若い女性たちも紫外線対策(日焼け対策)にはかなり気を使っています。
特に、顔の中で一番陽の当たる部分(目の下の頬骨のあたり)が一番ひどく日焼け(紫外線焼け)を起こします。

今から30年以上前、ネパールヒマラヤ、チベット、ラダック・ザンスカール、北インドのヒマーチャル・プラデーシュなどチベット族とその末裔の住み暮らす地域を何ヶ月もかけて巡ったことがあるのだが、若いチベット族の女性たちは顔の頬骨のあたりがみな日焼けしていたのを思い出します。
(失礼ながら、ある年齢から上の女性は顔全体がたっぷりと日焼けしてしまっているので、あまり気にならなく(目立たなく)なっている。)

その症状は、「日焼け」というよりは「火傷」といったほうは正しいかもしれない。その日焼けした肌が痛いからなのか、ギイ油を(火傷対策で)顔全体に塗っているため、余計に肌がガビガビになってしまって、きれいな顔立ちをしている女の子でもそれではまったく台無しだよなぁ、と強く思ったものです。


そんな思い出深い「ギイ」の入っていた木の壷がこれです。
入手してから数年間は、どんなに大量の消臭剤を放り込もうが、強い洗剤で洗おうが、ギイの臭いと油分が抜けることはありませんでした。
それから30数年経ち、幸いギイの臭いは抜けましたが、油でテカテカと艶かしく光っていた壷の表面は油の抜けた色気の無い表情になってしまいました。

果たしてどっちが良かったのか、、、

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