マメザクラとクロマルハナバチ・やどりき水源林 … 森林インストラクター・WanderVogel2014/04/15

ヤドリキ水源林のマメザクラ
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日曜日(4/13)に行ってきた、丹沢・やどりき水源林のマメザクラ・豆桜
(写真にはクロマルハナバチは残念ながら写っていません。)

マメザクラは桜の野生種の一つで、富士山近辺やその山麓、箱根周辺などに自生していることから、フジザクラ(富士桜)ともハコネザクラ(箱根桜)とも呼ばれています。
箱根町の樹としても指定され、また山梨県の花ともされていますが、ここやどりき水源林など神奈川県内・丹沢の山中でも散見される野生の桜です。
マメ(豆)の名が表すように、この種は樹高があまり大きくならず、花もソメイヨシノなどと比べても小さいのが特徴です。

ちょうど満開をむかえつつあるマメザクラ、特徴である下向きに咲く小振りの花の周りにはクロマルハナバチが何匹も飛び交って蜜を集めていました。

もともと日本の平野部の里山に普通に生息していた在来種であるマルハナバチですが、ハウス栽培などで花粉媒介昆虫として利用されてきたヨーロッパ原産のセイヨウオオマルハナバチが「外来種」として問題化してから、この在来種のクロマルハナバチが代替で活用され始めたそうです。
しかし、ハウス栽培用に大量生産された特定地域の個体群のクロマルハナバチが野外ハウスを逃げ出し、屋外に逸出すれば新たな「国内外来種」としてその地域の固有のマルハナバチを遺伝子レベルで脅かすことが今度は懸念されてきだしました。

クロマルハナバチはセイヨウオオマルハナバチと同等、もしくはそれ以上の問題を引き起こす危険性までが指摘されてるようになってきました。

農林水産省は、平成17年農業生産の技術指導のなかで、「代替品として在来種マルハナバチが商品化されていることから、…中略… 施設外への拡散を防止するための適切な措置を講ずる必要がある。」という内容の指導をしているということです。

一方で、国内のマルハナバチの現状を把握するため、東北大と山形大の生物多様性の研究者が中心となって「花まるマルハナバチ国勢調査(2015年までは継続)」という市民参加型の生物多様性調査を展開していますから、門外漢の僕でもマルハナバチからしばらく目を離せない感じがしてきます。

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