横浜自然観察の森で小学校の観察会引率 … インストラクター・WanderVogel ― 2014/11/12
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先日、横浜市の小学校(4年生)の自然観察会でインストラクターを努めてきました。
横浜自然観察の森で行なわれる小学生の自然観察会の引率も、もう何回目になるだろうか、僕もずいぶんと馴れてきて、どこにどういった木々・植物が生えているかもだいたい把握してきています。
ただ、この時期は紅葉する木も終わり近くになり、みんな枯れたくすんだ色になってしまっています。
実や種のなる木もたくさんあるのですが、ほとんどが野鳥やタイワンリスに食べられてしまい、これと言って見どころの少ない季節になってきました。
80名近い生徒・先生方を6パーティーに分けて、それぞれに森林インストラクターが付き添って案内や解説をしていきます。
インストラクターはそれぞれ独自のテーマを設定して、その場の雰囲気や見つけたものを使って自然の面白さや大切さを季節感などを一緒に味わっていく、という流れになります。
ですから、けっこうその場その場での対応力が試される、ということになりますので、我々も真剣です。
本番に先駆けて下見はしていますが、この季節は1週間違うと目に入る景色もぜんぜん違ってきます。
見せようと思っていた花や実がひとつも残っていない、なんてこともあって、アテが外れてガッカリということも多いのです。
写真は園路に1本だけ残っていたトキリマメの弾けた実です。
トキリマメは豆の形の時からハデな鮮やかな紅色のサヤを持っていますが、熟してくるとサヤが裂けて中から黒い2粒の柔らかそうな実が飛び出してきます。
実はこの実は柔らかそうに見えて、カチカチに固い種子で出来ています。色ツヤで鳥の眼をダマして食べてもらおうというトキリマメの作戦です。
紅い目立つサヤは黒い実を目立たせる重要な目印になっています。(写真中央)
黒い実をうまく食べさせることに成功した紅いサヤはその役目を終えると茶色く枯れて、さらに残った種を目立たせます。(写真右側)
野鳥に食べられた(呑み込まれた)実は、野鳥のお腹に納まって遠くに運ばれ、ほぼこのままの姿でフンと一緒に排出されます。
トキリマメとしては、してやったりの図です。
トキリマメに限らず、植物は進化の過程で、さまざまな子孫拡大の方法を生み出しています。
植物の中には特定の鳥や昆虫と相互契約を結んで、その鳥・昆虫しか食べられないような工夫をしたりもします。
植物たちは数百年から数千年の長い時間をかけて試行錯誤を繰り返し、あるいは自然界の厳しい洗礼を受けて淘汰されつつ、涙ぐましい努力の果てに今の方法にたどり着いた、と言うわけです。
そういったこと、「自然の有り様」を知ることは、子供たちにとっても 興味・大切な知恵になることなんだと思います。
植物たち、動物たちはただ漫然とそこにいるのではなく、そういった長い努力のベースの上にあって、すべてが必然なのかもしれないのですよ!
なんてね、、
ちょっと難しそうだけどそういうこともちゃんと教えたりしながら、子供たちと楽しい時間を過ごすことが出来ました。
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先日、横浜市の小学校(4年生)の自然観察会でインストラクターを努めてきました。
横浜自然観察の森で行なわれる小学生の自然観察会の引率も、もう何回目になるだろうか、僕もずいぶんと馴れてきて、どこにどういった木々・植物が生えているかもだいたい把握してきています。
ただ、この時期は紅葉する木も終わり近くになり、みんな枯れたくすんだ色になってしまっています。
実や種のなる木もたくさんあるのですが、ほとんどが野鳥やタイワンリスに食べられてしまい、これと言って見どころの少ない季節になってきました。
80名近い生徒・先生方を6パーティーに分けて、それぞれに森林インストラクターが付き添って案内や解説をしていきます。
インストラクターはそれぞれ独自のテーマを設定して、その場の雰囲気や見つけたものを使って自然の面白さや大切さを季節感などを一緒に味わっていく、という流れになります。
ですから、けっこうその場その場での対応力が試される、ということになりますので、我々も真剣です。
本番に先駆けて下見はしていますが、この季節は1週間違うと目に入る景色もぜんぜん違ってきます。
見せようと思っていた花や実がひとつも残っていない、なんてこともあって、アテが外れてガッカリということも多いのです。
写真は園路に1本だけ残っていたトキリマメの弾けた実です。
トキリマメは豆の形の時からハデな鮮やかな紅色のサヤを持っていますが、熟してくるとサヤが裂けて中から黒い2粒の柔らかそうな実が飛び出してきます。
実はこの実は柔らかそうに見えて、カチカチに固い種子で出来ています。色ツヤで鳥の眼をダマして食べてもらおうというトキリマメの作戦です。
紅い目立つサヤは黒い実を目立たせる重要な目印になっています。(写真中央)
黒い実をうまく食べさせることに成功した紅いサヤはその役目を終えると茶色く枯れて、さらに残った種を目立たせます。(写真右側)
野鳥に食べられた(呑み込まれた)実は、野鳥のお腹に納まって遠くに運ばれ、ほぼこのままの姿でフンと一緒に排出されます。
トキリマメとしては、してやったりの図です。
トキリマメに限らず、植物は進化の過程で、さまざまな子孫拡大の方法を生み出しています。
植物の中には特定の鳥や昆虫と相互契約を結んで、その鳥・昆虫しか食べられないような工夫をしたりもします。
植物たちは数百年から数千年の長い時間をかけて試行錯誤を繰り返し、あるいは自然界の厳しい洗礼を受けて淘汰されつつ、涙ぐましい努力の果てに今の方法にたどり着いた、と言うわけです。
そういったこと、「自然の有り様」を知ることは、子供たちにとっても 興味・大切な知恵になることなんだと思います。
植物たち、動物たちはただ漫然とそこにいるのではなく、そういった長い努力のベースの上にあって、すべてが必然なのかもしれないのですよ!
なんてね、、
ちょっと難しそうだけどそういうこともちゃんと教えたりしながら、子供たちと楽しい時間を過ごすことが出来ました。
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