やっと正体が判明しスッキリ!・ヤマウツボ … 自然観察・WanderVogel2017/07/25

西丹沢のヤマウツボ
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今年の5月、西丹沢の上流域でのフライフィッシングの最中に見つけた変な植物?です。

見つけた時は、ヤマウツボかな?とは思ったのですが、なんだかちょっと全体のシルエットが違う気がしていて、頭のどこかにずっと引っ掛かっていました。
昨日ふとしたきっかけで同定出来て、モヤモヤがスッキリ解消しました。やはりヤマウツボでした。
こういうことがあるから、解らないものを見つけた時にはしっかりと写真を撮っておくのが良い。あとから同定するのに役立つように、特徴がきちんと解るように様々な部位を細かく撮っておくのが大切です。

オニク(御肉)という変な名前の植物かなとも思いましたが、オニクは8月から9月にかけて開花すると書かれているので、5月の時点でこんな感じということはやはり開花時期が違うようです。
オニクは「滋養強壮・強精剤として漢方薬の原料になる高価なもので、木曾御岳山や富士山麓のオニクは特に有名」、と書かれていたのでちょっと期待したのですが、やはりこれはヤマウツボで間違い無さそうです。

5月から7月にかけて開花するヤマウツボですが、下から花が咲き始めだんだんと上に向かって咲いて行くということなので、こういう姿というのも納得出来ます。
ヤマウツボもオニクもともに同じハマウツボ科で、カバノキ科やブナ科の根に全寄生する葉緑素のない一年草。丹沢を含め、本州以北の亜高山で見られます。

ブナをはじめ、西丹沢の畦畔林にはヤシャブシやケヤマハンノキなどカバノキ科の樹木も多く生えているので、育つ環境としてはピッタリと言える。
そこまで写真を撮りきれていないのが迂闊ではあったが周りに散らばる落ち葉を、撮ってきた写真から探って見るとハンノキ属の葉っぱや果穂、雄花序などは見当たらなかったが、ブナの葉はたくさん確認出来たので間違いないだろう。(あとはケヤキとイタヤカエデ、イロハモミジなどが写っていた。)

この場所にはヤマウツボが群生して7~8本生えていました。
ヤマウツボの群生が丹沢の山中で見られるというのはやや珍しいと言えるかな?


同じ仲間のヤセウツボの方は、僕の住んでいる金沢八景の海のそばでよく見られます。
ヤセウツボは樹木の根ではなく、シロツメクサ(マメ科)やヤブジラミ(セリ科)といった草本の根に全寄生して、春先(5月頃)に勢力を伸ばして姿を現します。
ヤマウツボと同じ仲間と言ってもその姿かたち・印象はかなり違っていて、パッと見、違う種類に見えてしまいます。

野島のヤセウツボ:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2016/05/11/

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