北鎌倉 明月荘・茶室の佇まい … 木造建築・講演会2014/11/10

明月荘茶室
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一昨日行った、北鎌倉の明月荘の主屋に隣接して建てられている茶室。

主屋(旧 石橋又義邸)が終戦後間もない昭和21年8月に建てられていることとから、この茶室もだいたいその頃に建てられたのかと想像しますが、まともな物資のない時代によくこれだけのものを造れたと感心します。

もっとも、材料を見ると新しいもののようですから、手を入れながら維持してきたことは見てとれます。
鎌倉市が管理していた時に市民が利用する施設として、主屋とともに使われていたことを思うと、丁寧に修繕を重ねながら使い続けてきたのでしょう。

主屋の外壁は下見板張りだですが、この茶室は土壁で造られています。
土壁は修繕が出来にくいのか見た目でもだいぶ痛んでいて、大きく剥離している個所もあります。

並んで建っていると主屋の日常空間に対して、隣接する非日常空間としての「茶室」の建物という対比の構図が良く解ります。

内部は天井の網代組みや杉板竿縁、天窓のしつらえなど、繊細な造形が目を惹きます。床(とこ)周りの造作も美しい。

何より、広い庭に向かって開け放される大きな開口部が良い。三畳台目の狭い茶室空間に大きな広さを感じさせます。

茶室に座った目線で、明月谷戸の自然の景色が目に入るように考えられて作られたのでしょう。

閉鎖的な茶室の有り様も強い精神性を感じさせるのでしょうが、こういう開放的な茶室空間というのもあっけらかんとして僕は好きです。

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