ヒマラヤゴヨウの松ぼっくり … Nepal 自然観察・WanderVogel2016/12/30

ネパールのヒマラヤゴヨウ
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ネパールのトレッキング、ランタン~ゴサインクンドの標高4,000m付近で良~く見かけるヒマラヤゴヨウ。

ヒマラヤゴヨウ(ヒマラヤ五葉)は、マツ科マツ属の針葉樹で、別名「ブータンマツ」とも言います。
名前のようにヒマラヤ地方が原産で、松葉が5枚(本)あるので、その名が付けられました。ヒマラヤの高地樹林帯ではヒマラヤ松と並んでポピュラーな樹木のひとつです。
松葉は全体的に白っぽく、40cmほどにもなる長い松葉はやわらかく垂れ下がり、まるで白い髪のようです。

写真にも見られるように、松ぼっくりは巨大で、20~40cmと人の顔ほどの大きさ・長さになります。
5月頃開花し、翌年の10月頃にこのような長い松ぼっくりに成長するので、この時期にトレッキングに行くと、高い樹木の枝先にたくさんぶら下がっているのを目にします。

ヒマラヤゴヨウの樹林帯を歩いていると、登山道の足元にたくさん落ちているのを見ることがあります。
ですので、ヒマラヤゴヨウの樹林帯では、上から落ちてくるこの大きな松ぼっくりにも注意して歩かないといけません。

では、すでに地面に落ちているものは安心なのかというと、そうでもありません。
じつはこのヒマラヤゴヨウの松ぼっくりには、たくさんある傘の一枚一枚にたっぷりと透明な松ヤニがへばりついていて、ヘタに掴むと手が超ベトベトになってしまいます。
これがまた、石鹸で洗ったぐらいではぜんぜん落ちないほど強力な松ヤニで、誤って服や靴についてしまうとまったく始末に困ります。

まあこれは、当然のことながら、そっくりそのまま経験したからこそ解ったことなんですけどね。

混生しているほかのマツ科の樹木(ヒマラヤマツやコメツガ、トウヒ、シラビソなど)の毬果ではまったくないことなので、松ヤニに関してしては、このヒマラヤゴヨウの松ぼっくりだけなんです。

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