林業機械化現場の見学・研修会2 … 森林インストラクター・WanderVogel2014/04/10

伐採集材作業
- -
昨日の相模原市津久井の山林で行なわれた林業機械化現場研修・・・つづき

丸太の山出し金額(神奈川県)は杉の場合で¥10,000/m3~¥12,000/m3程度、ヒノキの場合でも¥22,000/m3~¥23,000/m3と決して高くない。
(これに県からの補助金が、m3あたり¥11,000.上乗せされる。)

まれに、丹沢ヒノキの最高級品で¥300,000/m3という値の付いた材があったようだが、これは昨年の新橋に新装した新歌舞伎座の床板に使われたもので、樹齢も品質も見た目の美しさも別格なものですので、そういう高価格がついたそうです。

切り出して材木を売る他にも、神奈川県の場合(どの県でもそうなのだろうが)山主と県が通常20年契約で森林整備を行う契約を結んでいて、実際にはその整備事業(間伐や下草刈りなどの作業)を民間の林業会社が県から請け負う、という流れになっているそうです。

ここの山林の場合は、森林整備とは別に林業会社が山主から(杉の場合で¥1,000/m3以下)で購入する契約を結んで、山から切り出しを行っているということでした。

実のところ、多くの山林で同じことが言えるのだそうですが、山主の方にも大きな問題があって、その昔木材価格が高騰した時に付いた(バブルの)高値の経験がいまだに忘れられず、安い金額で材木を売ることにものすごい抵抗があるようで、売り渋っているうちに結局売れないまま、切り出した材を運び出すことも出来ず、森林整備で伐採された優良な材でも山に打ち捨てることになると聞きました。
実にもったいないことです。

ここでのスギ丸太の切り出し作業では、2t車(約3m3分 積むことが出来る) 1台で約¥33,000(スギ材=¥11,000/m3×3m3)+¥33,000(補助金=¥11,000/m3×3m3)=¥66,000 程度しかならない。ヒノキの場合はスギの倍の価格(約10万円程度/台)になります。
ですので、ヒノキだと少しは利益が出るが、スギの場合だとほとんど利益が出ないのだといいます。
ちなみに、丸太の場合、末口(丸太の細い方の直径)30cmの丸太で長さ1mで0.1㎥という計算になりますから、2t車には3mものの丸太で10本積める計算になる。

日本の場合、農業同様に林業に関しても補助金による厚い保護政策がないと実際には立ち行かないということになります。
そうはいっても、国土の根幹である日本の山を山林を荒廃させるわけにはいきませんから、多額の(私は多額とは思わないが…)税金を投入してでもこれを守っていかなければならないことに変わりはないと思っていますが。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2014/04/10/7271605/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

アクセスカウンター