カラマツの雄花/雌花と新芽・やどりき水源林 … 自然観察・WanderVogel2014/04/16

やどりき水源林のカラマツの芽吹き
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日曜日(4/13)に行ってきた、丹沢・やどりき水源林のカラマツの雄花と雌花、新芽(葉っぱ)の芽吹きです。

ピントの合っている写真中央左の下向きに丸く伸びている薄茶色の丸い芽が雄花です。
その少し右下に緑色の先端を持つ新芽が伸びていくと新しい針葉になります。
写真ほぼ中央の、やや上向きに付いている丸い薄緑の球体が雌花で、大きくなると可愛いパイナップルのような松ぼっくりになる部分です。

こうやってしみじみ見ていると、カラマツって不思議な木ですよね。

針葉樹のくせに(?) 毎年秋になると黄葉して枝ごと落ちて落葉するし、春になるとこうしてすっかり枯れ枝のようになったカサカサの枝から新芽が出てきて、雄雌の花まで咲かせるのですから!


秋に見られるカラマツの黄葉は、山全体を黄金色に染めて本当にきれいで素晴らしいものですが、春先に見られる若葉もまた、黄葉に負けず美しいものです。
まだ新芽が伸びきっていませんので、色気はありませんが、これから針葉が伸び始めると木全体が柔らかい淡緑色に染まります。

足下には去年の秋に出来た松ぼっくり(普通の松ぼっくりよりかなり小さめ)が枝ごと落ちて、たくさん散らばっていました。

戸隠山のカラマツ: http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2014/02/27/
丹沢のモミの球果: http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2013/12/31/

ひときわ目立つコブシの花・やどりき水源林 … 自然観察・WanderVogel2014/04/17

やどりき水源林のコブシの花
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丹沢・やどりき水源林での写真をもう1枚:コブシ

ヤマザクラやマメザクラが咲き、リョウブの新芽の明るい薄緑色が森の中にチラホラ見受けられるとはいえ、4月中旬ではまだ丹沢の山の稜線沿いはモノトーンに近い世界です。

そのなかでひときわ目を惹く、コブシの大きな白い花。

昨年春先に見た谷川岳周辺のタムシバの花もきれいでしたが、丹沢のコブシも清楚な気品を感じさせなかなかのものです。
色のあるミツマタやサンシュウユ、ヤマブキなどは春の山の花として観光客を集めますが、他の木の新緑が芽吹かないこの時期のコブシの花も僕は好きです。

コブシとタムシバ、同じモクレン科モクレン属の日本原産固有種の落葉小高木で、同じ時期に同じような場所に咲くその大きくて白い花はとてもよく似ています。
違いはコブシには花の元に葉っぱが1枚付いていることで、タムシバにはこの葉っぱがないので、そこで見分けると間違いありません。
ちなみに、中国原産のモクレンもタムシバ同様に、花の元に葉っぱは付きません。

いずれにせよ、枯れた枝の多いモノトーンな山の風景をバックに1本の木にたくさんの花を咲かせるコブシ(タムシバ)は、新緑よりも先に山にも春が来たことを感じさせます。

コブシの不思議な実: http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2013/09/29/

「岳人5月号」長く、どこまでも … 登山・WanderVogel2014/04/18

岳人5
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岳人5月号、特集は「岳人」が選ぶ100ルート(5月号から8月号までの連載)です。今月号では001〜040まで紹介しています。

なぜ8月号までの連載かというと、ニュースですでにご存知の方も多いと思いますが、昭和24年から東京新聞(中日新聞東京本社)が発行してきた歴史ある「岳人」ですが、今年の9月号から登山用品の「モンベルグループ」が引き継ぎ、発行することとなり、モンベル社長の辰野氏が発行人となり編集長となるということですので、今までの編集内容とは確実に変わっていくでしょうが、ぜひとも「岳人」の硬派な路線は今後も継承していって欲しいと願うばかりです。

まあ それはさておき、今月号で目を惹いた記事はというと、「登山と老化現象」のコラムと「長く、どこまでも」という名もなき山、名もなき尾根を「自前の山」と呼び、ピークハントにとらわれることなく自然体で山を歩くことに魅力を見いだしたエッセイの2つでした。

「登山と老化現象」に関しては、コラムに書かれているように私の場合も体力の衰えよりも、視力の衰え気力の衰えの方が最近気になってきていますので、まさにタイムリーな記事でした。

もうひとつのエッセイのほうは、私もここ数年そう思って実践していることですが、ピークハントよりも低山を歩くロングトレイルの魅力について書き綴っています。

たくさんの人を惹き付ける有名な山を登るのももちろん素晴らしいことだが、名のしれない山や滅多に人の歩かないようなマイナーな尾根道を見つけ、自分だけのトレイルルートを探して歩くのもなかなかに面白いものです。
なにより、めったに人に会わないから、自然を独り占めすることが出来ます。

「美しい山の頂上に立つ」より、ひと気のないマイナーな稜線上から 遠くの「美しい山の姿を見る」のもまた良いものです。

東丹沢/七沢までのショートツーリング … ボランティア+ちょっとバイク・WanderVogel2014/04/19

七沢までツーリング
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今日は神奈川県自然公園指導員連絡会の総会に出席するため、丹沢の七沢にある県立自然環境保全センターまで行ってきた。

午後から仕事が入ってので、連絡会主催の登山道巡視には参加せず午前中だけで戻ってきたのだが、天気は薄曇りで暑くもなく寒くもなく、湘南の海沿いの道を経由して東丹沢の七沢までバイクで往復するにはちょうど良い距離でした。

七沢の自然環境保全センター周辺ではすでにソメイヨシノはすっかり散ってしまい、代わって八重桜が満開をむかえています。
周りの木々もだんだんと新緑に色づいてきました。

これから山も春本番をむかえます。低山から高い稜線へと山全体が一気に生気を帯びて美しく変化していきます。

明日の日曜日は今日より気温が下がると言うけど頑張って早起きをして、西丹沢の沢の源流部を、名もない尾根を、地図とコンパスを頼りに歩いてみよう!

ニリンソウの群落・三浦安針塚と横須賀軍港 … 自然観察・WanderVogel2014/04/20

塚山公園のニリンソウ
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朝方まで雨がしとしと降っていたので、遠出するのは控えて山上の畑を見回るついでに、三浦按針(徳川家康に仕えた英国人ウィリアム・アダムス)の墓を祀っている塚山公園(というか里山?)を散策して来ました。

時おり小雨が降ってはいたが、概ね薄曇りの天気で、なんとか3時間ばかりの里山散策を終えることが出来た。
塚山公園一帯は明治の頃から桜の名所だったそうで、今もソメイヨシノやオオシマザクラ、ヤマザクラなどが植えられた「さくら谷」というのがあります。

高台の見晴し台からは猿島、東京湾に浮かぶ第一海堡、第二海堡や房総半島までもが一望できます。
また、眼下には横須賀の軍港と明治4年に完成し今も現役で使われている日本最古のドライドック(1号ドック)群も見渡すことが出来るんです。
(今日は日本各地の基地のイージス艦が横須賀基地に勢揃いしていて、湾内に入りきらずに、外に停泊しているイージスもいます。今日は本当の海軍カレーコンテストが開催されているんです。優勝は潜水艦隊のカレーだったそうです。)


幕末の明治維新によって江戸幕府が廃され明治新政府が成立したわけですが、横須賀造船所の建設は幕府時代と同様にフランス人技術者レオンス・ヴェルニーのもとで引き続きドック建設は進められました。慶応3年(1867年)から建設が開始されていた1号ドックは明治4年(1871年)に完成しました。

その後、大東亜戦争までの間に6号ドックまで造られることになります。
ちなみに、6号ドックでは大和型戦艦の「大和」「武蔵」に続く三番艦として計画された「信濃」(途中で航空母艦に改装)が建造された。信濃はここで進水式をした後に、呉軍港に回航される際に米潜水艦の魚雷攻撃で沈んだ。(そのあたりの詳しい内容は、それぞれの専門書を読んでみるとかなり面白い)

そして、それらのドックは今も変わらず自衛艦やアメリカ軍艦の改修・修理など現役で使われています。
それらの施設や艦艇を望めるこの場所は、一部の軍記/軍事オタクに留まらず、幕末/明治維新好き、(建築/土木など)歴史文化遺産好きにはたまらない見晴し台だろう。

と、そんな話しはさておき、安針塚を祀る塚山公園ではこの時期、サクラはすでに盛りを過ぎていて、かろうじて八重桜が数本 薄曇りの空に彩りを添えているくらいだが、足下を見るとニリンソウの群生が清楚な白い花を見せてくれています。

キンポウゲ科のニリンソウ、若葉は食用になるそうだが、この周辺にはよく似た葉っぱを持つトリカブトも一緒に生えているので、よほど自信がない限り摘んで帰って食べようなどとしない方が良いだろう。
この時期は花を見れば間違いようもないが、いちおうここではニリンソウは保護されているので、若葉といえども摘んではいけない。

その他にも、畑では雑草扱いのホトケノザやヒメオドリコソウ、ヤエムグラなどは引き抜かれることなく一面にはびこっています。
可憐な花のヒメハギ、タチツボスミレ、ムラサキケマン、フデリンドウの花も咲いています。
不思議なかたちの花を持つウラシマソウも何故かあちらこちらに姿を見せています。

里山では定番の高木、秋に多くのドングリを落とすコナラやクヌギも、春には淡い黄色の雄花をすだれのようにたくさん垂れ下げて、春の里山らしさを一層感じさせてくれています。

横須賀造船所第1号ドック: http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2013/11/08/

山上の農園(4月)・スナップエンドウはジャングル … 畑仕事・WanderVogel2014/04/21

スナップエンドウの花
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昨日の山上の畑。
畑には今、ニンニクやタマネギやジャガイモなど10種類弱の野菜が育っていますが、特にスナップエンドウの育ち具合は異常に早くて、先日(4/2)と比べると一目瞭然です。

真ん中に人が歩けるだけの空間を確保する予定でしたが、すっかり埋まってしまっています。高さも1.5mは超えています。
花も一杯ついていますので、これからエンドウマメがたくさん出来るなぁと期待する反面、昨年のダイコン騒ぎのようにあまりにたくさん採れ過ぎて逆にうれしくなくなるかも…。

同じことはジャガイモにも言える。
三種類のジャガイモを計3kg植えたのですが、単純にそれが30kgになるとすればとても食べきれるわけもなく、また近所に配り歩くことになるのだろうなぁ。

特別に肥料をたくさんあげているということもなく、どちらかと言えば雑草取り以外はほっぽっている感じで、農薬なども使用していないのですが、それほど虫にもやられず何を植えても割とよく育っています。

きっと、土が良いんだろうな。山上なので水はけも良いし、日当りは抜群だし。

この近辺には野ウサギやハクビシン、タイワンリス、カラスなど手強い動物はいますが、彼らは好き嫌いがはっきりしているようで特定の野菜だけが被害に遭っているという感じです。

4/2の様子:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2014/04/02/

現役ワンゲル部員とOBの交流会 … ワンゲル部・WanderVogel2014/04/22

鹿沼ロック講習
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新年度がスタートし、大学の我がワンゲル部も新体制となり、続々と新入部員も集まってきています。
毎年この時期には現役新役員をよんでOB会役員との間で、今年度の現役クラブの活動方針を聞く機会を持ちます。

ここ数年はクラブ活動の内容自体が沈静化していて、我々おじさんOB役員・会員からは大いに不満が出ていました。
でも、今年はちょっと違うようです。勢いがあります!

新役員からの報告を受けると、トレーニング内容も合宿計画もちゃんと統制が取れていて、これまでの数年間の軟弱な動きとは違い「硬派なワンゲル部」が戻ってきそうです。
これは我々OBにとってはとてもうれしいことであり、待ちわびていたことです。
ランニングやボッカ訓練だけでなく、大学の建物にザイルを垂らして懸垂下降のトレーニングなどもちゃんとやっているということですので、今年は期待出来ますよ〜。

単独登山と違い、パーティーを組んでの山行は何よりもチーム力が試されます。
そして現役の役員(リーダーたち)には山行技術以外のコミュニケーション力や統率力、危機管理能力、決定力に加え、合宿計画を完遂する強い意思と体力も必要な資質となります。


我々のワンゲル部はいわゆるアルパインスタイルのロッククライミングはやりませんが、縦走時に遭遇する岩稜や沢登りなどを安全にこなすにはしっかりとしたザイルワークとフリークライミングの技術習得は不可欠です。

技術講習には経験のある0B会員が現役部員の指導にあたっています。
毎年6月に栃木県鹿沼市にある岩山を練習ゲレンデとして、近くに合宿(テント泊)して1泊2日で技術講習を行います。
(もちろん、テントサイトでの夜の宴会も講習の一環です)

今年はすでに10名近くの未経験者の新入部員が入ってきたということですので、山行合宿に向けて現役役員も頭を悩ませているでしょう。
(山行合宿を牽引する経験ある部員の数に比べ、未経験者の数が多いと目が行き届かず思わぬトラブルに見舞われないとも限りませんからね)

今夜の現役役員とOB会役員・会員との会合は、そんなようなことを熱く!語り合いながら、宴会へと突入していきました。

ウスタビガとヤママユガの枯れた繭・丹沢の山歩き … 自然観察・WanderVogel2014/04/23

ウスタビガとヤママユガの繭
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先日の丹沢の沢歩きで見つけたヤママユ科に属するウスタビガ(中央の繭)とヤママユガ(左右の2つの繭)の枯れた繭。

近くには同じヤママユ科のクスサンの繭(網目状の変わった繭)も落ちていました。
同じヤママユ科なのに繭のかたちやデザイン、手触りはそれぞれ 蛾によってまったく違ってるんですね。

ウスタビガが成虫(かなり大型の蛾です)になって繭から出てくる際には、写真下側の直線になっている部分がパカッと開いて出てきます。
でも、この繭は直線状の方は閉じたままで、下の方(写真では上の方)には丸い穴があいているのが解ります。
これは、成虫になる前に別の虫が侵入し食べられてしまったのか、鳥がついばんだのかして空けられた穴のようです。
シェルターのような固い繭の中に入っていても、自然界ではなかなか安心出来ないもんですね。

これらはもともとは目が覚めるようなきれいな薄緑色をした繭なのですが、すっかり枯れてくすんだ薄茶色になってしまっています。

ウスタビガの繭は丈夫な糸を伸ばして木の枝に絡ませて落ちないようにぶら下がっていますので、葉っぱの一部にまだ糸がしっかりと巻き付いて離れずくっ付いたままになっています。


ヤママユガの繭の方は、「天蚕(やままゆ)」と書くくらいですから野生のおカイコさん(蚕)です。

その繭から採られた糸は天蚕糸と呼ばれ、紡ぐと淡い緑色をした織物(天蚕布)になり、とても貴重なものなのだそうです。
こちらのほうもすっかり枯れてしまっていて、きれいな淡い緑色の繭の姿は想像するしかありませんね。

どちらにせよ、布にするほどの量の糸を採取するには、気が遠くなるほどの数の山繭が必要なのだろうぁ。

地図とコンパスと山岳用GPS … 登山・WanderVogel2014/04/24

地図とコンパス
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地図とコンパスと山岳用GPSについて考えてみる。

山歩きには国土地理院の1/50,000図や1/25,000図と、コンパスは欠かせないアイテムですが、最近目も衰えてきて細かい文字や地図上の稜線の表示などの識別もだんだんと怪しくなってきてます。ああ、歳は取りたくないねぇ〜。

また、正規の登山道ではない人の歩かないような尾根筋や谷筋を歩くことが多いのですが、疲れてが溜まってくると(地図とコンパスを持っていても)自分の位置をロストしそうになるのも否定出来なくなってます。
そんなことから最近では、山歩きや渓流フライフィッシングにGPSを持ち歩くのも手だよなぁ、などと軟弱な考えが頭をよぎります。


山岳用GPSはそうバカにしたものではなく、最近のスマートフォンと同じようにこのところ急激にその性能が向上していて良い機種が出てきています。

なかでも山岳用GPSの老舗ガーミンからでている、OREGON650TCJという新機種はなかなかに素晴らしい。
iPhone5の液晶パネルと比べると画面サイズは小さいのですが、山岳用GPSでは始めてのマルチタッチパネルのディスプレイを持っていて、スクロールの追従性もiPhone並です。
プリインストールされている山岳地図ソフト(TOPO 10M plus V2)は、国土地理院の1/25,000に匹敵するくらいの表現力があります。

測位システムもアメリカとロシアの衛星からの電波に加え、国産衛星の「みちびき」からの電波も受信出来るので、ゴルジュ帯の谷に入っても(たぶん)正確に測位してくれます。
防水性能も対衝撃性能も申し分ありませんが、、、問題はお値段ですよ。
山岳地図と道路地図がプリインストールされた状態での販売価格は、10万円を超えてしまいますので、登山用品としては、かなり高価な代物です。

(本人はすでに、買う気満々なのですけど…)考えものです。

丹沢/大倉で除伐作業・珍しいシロマダラ(幼蛇) … 森林インストラクター・WanderVogel2014/04/26

丹沢のシロマダラ
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今日は午後から丹沢/大倉にある山岳スポーツセンター上に広がる植樹林で、森林インストラクター活動の一環として除伐/間伐作業を行なってきました。

主に立ち枯れているヒノキの木を中心に除伐していきます。
森林インストラクターの仲間たちはみな作業に馴れている人たちばかりなので、除伐/間伐作業自体は効率良く順調に進みました。

1本の朽ちたヒノキの木を除伐しようとした時、ボソボソになった木の樹皮を剥がすとその下から18~20cmくらいのシロマダラの幼蛇が出てきました。

シロマダラは日本の固有種で夜行性、昼間は狭い隙間などに身を隠しているというのですが、まさしくその通りの隙間に隠れていました。
温かい木の中で昼寝をしていたのでしょうね、動きもスローモーでちょっと寝ぼけていました。

無毒な蛇で日本全国に広く分布していながらも個体数が少なく、非常に発見しにくいヘビだということです。
そんなことから「幻のヘビ」と呼ばれているそうです。

とっても可愛らしい蛇でした。いやぁ~、今日は最高に運が良かったなぁ!

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