秋?冬?の夜長を楽しむ本 … 本・WanderVogel2014/12/12

本を読もう
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昨日は夕方に神田神保町にある「農業書センター」というちょっとマニアックな書店に行ってきた。

書店は岩波ホールに隣接するビルに入っているのだが、いったん1階のドラッグストアに入り、お店の中の階段を使って3階に上がるので少々分かりにくい。
農業書センターは今年の春までは大手町にあったのだが、神保町に引っ越してきたそうです。こういうお店は「本の街・神保町」にある方がしっくりくるのではないかな。

書店で扱っている書籍は、もちろん農業・林業関係の書籍が主ではあるが、環境問題や食に関するもの、民俗関係の書籍など多岐に渡っていてなかなか奥の深い書店です。
農山漁村文化協会直営のお店なので、いままでnetで買っていた本(季刊地域など)がバックナンバーを含めて、ここに全部揃っていました。なかなか素晴らしい。

入口では「内山節」と「宮本常一」の特集を組んでいた。
宮本常一の著書がズラッと揃っていたが、内山節著作集全15巻もなかなか圧巻でした。お店の方も一押しの書籍群だということです。

お店の方に他にもいろいろと聞いてみると、先日亡くなった菅原文太さんもよくここに来て、農業関係の本をたくさん買って行かれた、のだそうです。
菅原文太さんは、俳優のかたわら本格的な農業に取り組んでいて、家庭菜園の域を越えて農業法人まで立上げて、様々な作物を山梨県のある村で無農薬・化学肥料なしで本格的に作っていたのだそうです。

「現代農業」復刊800号記念インタビュー・菅原文太さんに聞く、という記事のコピーをいただいてきたので読んでみたが、さすが文太兄い 良いこと言っているなあ。と関心しきりです。見習わなきゃなぁ!
それにしても惜しい方を亡くしてしまったんですね、心よりご冥福をお祈りします。


などと思いながらも、本を何冊か買ってきました。
まずは今日の目的のひとつである田中淳夫氏の「森と日本人の1500年」、勧められてその場で購入した宮本常一氏の「山に生きる人々」、衝動買いしてしまった群馬直美氏の「木の葉と木の実の美術館」の三冊です。


群馬直美さんの本はいわゆる「画集」なのですが、作者のプロフィールが「葉画家」となっていたのも惹かれた要因のひとつです。
葉画家(ようがか):聞いたことない名称ですが、葉っぱを専門に書く画家なんだろうな、ということは何となく分かる。

本を開いてみると、中に描かれている葉っぱの表現の素晴らしさに脱帽です。
まったく素晴らしいです!
どれも葉っぱの特徴を良く捉えていながら、それでいて作者の目を通した独特の表現方法・タッチで描かれている素晴らしい作品集でした。

葉っぱの1枚1枚に付けられた解説文は、その葉っぱが本当に話しているような女性らしいウイットに富んでいて、なかなかに可愛らしい。

こういう表現もあったのか!と、目からウロコの画集でした。ページをめくるのがもったいないほどです。

群馬直美さんという方、今まで知らなかったなぁ~。
この方けっこう画歴が長いようですし、何となくどこかの本で今まで見たことがあるような、、、と、調べてみたら、他の方が解説文を書いた植物図鑑などの挿絵でよく見ていた作家だった!名前は知らなかったが、、
でも、一度見たその絵をちゃんと覚えていたということは、印象強く頭に刻まれていることは確かですね。う~ん、うかつでした。一番大切なところを見過ごしていたようです。


本の前半にテンペラで描かれた「作品」の写真が何枚か載せられています。それがまたとても素晴らしい。
僕の部屋の壁に掛けて毎日でも眺めていたいなぁ。そんな感じのする良い作品でした。

netで調べてみると、明日から立川の国営昭和記念公園・花みどり文化センター内で、この本の原画を中心とした「原画展」が開かれているようなので、時間を作って行ってみようっと。

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