野島公園近くのアメリカスズカケノキ … 自然観察・WanderVogel2014/12/17

アメリカスズカケノキ
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自宅前の侍従川の河口に野島という小さな島がある。

野島の中央には小高い山があって、敗戦末期に掘られた巨大なトンネル状の掩体壕が今でもそのままのかたちで残っている。侍従川の流れを挟んだ向かい側に海軍追浜航空隊の飛行場があったからだ。敗戦後は一時接収されその後、日産のレーシングテストコースとして使用されている。

山頂付近にはソメイヨシノがたくさん植えられていて、開花時期には花見客で一杯になるほどの桜の名所になっている。

野島に渡る橋の手前にちょっとした公園があって、ソメイヨシノやクスノキ、マテバシイ、キョウチクトウに混じって大きなプラタナス(アメリカスズカケノキ)が何本も植えられている。


天気予報では北海道に移動した二つの低気圧が合体して、ひとつの大きな爆弾低気圧に発達したことから、北海道から東北・関東甲信越にかけての広い範囲に強風注意報が出されていた。
横浜でも朝から強い風が吹き荒れ、歩いていても帽子をしっかり押えて下向きになってしっかりと歩かないと風に吹き飛ばされそうな感じでした。

駅に向かう途中のその公園でふと上を見上げると、強風であらかた葉っぱを吹き飛ばされて枝だけになったアメリカスズカケノキが立っていた。

枝先にぶら下がった大きな実が、強い風に翻弄され大きく揺れていた。
足元には強風にたたき落とされて風に舞う、スズカケノキの枯れた大きな葉が道路脇に吹き溜まっている。


スズカケノキ(プラタナス)には3種類あって、葉っぱの切れ込みの深いスズカケノキ、切れ込みの浅いアメリカスズカケノキ、その中間のモミジバスズカケノキ。
葉っぱの切れ込みは実際には個体差もあって、一目で見分けがつくとは言い難い。また、若い木と老木とでは葉っぱの形状も樹皮の肌合いもいろいろあって区別するのはなかなか厄介だ。

ただ、実(集合果)の付き方にはそれぞれ特徴があって、スズカケノキは小振りの集合果が2個~7個ずつ連なってぶら下がる。モミジバスズカケノキは1個~3個ずつ付く、アメリカスズカケノキの実は一番大きくて(直径3~4cmくらい)、通常1個(ときに2個)ずつぶら下がって実が付くので、そこが判断ポイントとなる。
写真を見ても、(中には2個ぶら下がっているのも見えるが)だいたいは1個ずつぶら下がっているのがわかる。


それで思い出したのだが、横浜山手のフランス山(旧フランス領事館跡)にたくさん植えられているプラタナスも、取付けられていた樹木表示では「プラタナス・スズカケノキ科」と書かれていたが、アメリカスズカケノキだったのではないかな?

山手のフランス山:http://hd2s-ngo.asablo.jp/blog/2013/06/25/

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